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日々コレ好物 〜 Favorite collection of my daily life





#100  自分買って来る 〜  me and you , you and me


10日間にわたる参拝の旅から戻りました。

関空で5人の中国工房の仏工をピックアップし、私を含め計6人で、

京都、奈良、福井、富山、山形、東京の御寺院様を、車で移動しながらお参りさせて頂きました。


       


第一の目的は、国宝や重要文化財のお姿をお参りさせて頂き、

日本の仏教や仏教芸術に実際に接する事。

第二に、当社でお納めさせていただいた御寺院様にお参りさせて頂き、

謹刻納入させていただいたお姿が、どのようにおまつりされ、信仰されているのかを肌で感じる事。

そして、空気や光の色、山、川、食べ物、住宅、

そうした風土や生活習慣を含めた日本の雰囲気を体感してもらう事を主眼に、

日本人である私も、ある意味外国人的な目で10日間を過ごさせて頂きました。

皆とても熱心で、実りの多い旅になったと思います。

私としては、それぞれの家庭を持った5人が無事帰国し、

私も無事帰宅できた事に安堵の気持ちでいっぱいです。

この10日間で 見た事、聞いた事、感じた事、気付いた事、話し合った事 などが、

少しずつ、じんわりと将来の我々の仕事に好い影響をもたらしてくれることを信じてやみません。


さて、今回の旅で個人的に楽しみにしていたのが京都にある 河井寛次郎記念館 


           


以前、日本民藝館 で氏の作品に接し、「河井寛次郎の宇宙」 という本を求め、

それ以来是非おじゃましてみたいと思っておりました。

その本にはたくさんの氏の作品が写真で紹介されているのですが、

私はどちらかというと、氏が残された 「ことば」 に強く惹かれました。

その中の一つ、 「 手考足思 」 を、私自身の心に刻むために、以下打ち込みさせて頂きます。


     
手考足思

   私は木の中にいる石の中にいる、鉄や真鍮の中にもいる、

   人の中にもいる。

   一度も見た事のない私が沢山いる。

   終始こんな私は出してくれとせがむ。

   私はそれを掘り出したい。 出してやりたい。

   私は今自分で作ろうが人が作ろうがそんな事はどうでもよい。

   新しかろうが古かろうが西で出来たものでも東で出来たものでも、

   そんな事はどうでもよい、

   すきなものの中には必ず私はいる。

   私は習慣から身をねじる、未だ見ぬ私が見たいから。


   私は私を形でしゃべる、土でしゃべる、火でしゃべる、

   木や石や鉄などでもしゃべる。

   形はじっとしている唄、飛んでいながらじっとしている鳥、

   そういう私をしゃべりたい。

   こんなおしゃべりがあなたに通ずるならば、

   それはそのままあなたのものだ。

   その時私はあなたにわたしの席をゆずる。

   あなたの中の私、私の中のあなた。


   私はどんなものの中にもいる

   立ち止まってその声をきく

   こんなものの中にもいたのか

   あんなものの中にもいたのか


   あなたは私のしたい事をしてくれた、

   あなたはあなたでありながら、それでそのまま私であった

   あなたのこさえたものを、

   私がしたと言ったならあなたは怒るかも知れぬ。

   でも私のしたい事をあなたではたされたたのだから仕方がない。


   あなたは一体誰ですか

   そういう私も誰でしょう

   道ですれちがったあなたと私


   あれはあれで、あれ

   これはこれで、これ

   言葉なんかはしぼりかす


   あれは何ですか、あれはあれです、あなたのあれです。

   あれはこうだと言ったなら

   それは私のものであなたのものではなくなる。


   過去が咲いている今

   未来の蕾で一杯な今

                     昭和三十八年秋



この10日間の旅の中で 沢山の 「過去が咲いている今」 を目の当たりにし、

いくつもの未来の蕾が大きく膨らみました。  合掌

                                   2007年9月2日






     






                  





                    河井寛次郎師に関して click to go !





#099  ニャンコロジー 〜  desire


ニャンコロジー 今回は予定を変更して、夏休み特別企画 「ペット人生相談」 をお送りします。

それではパーソナリティーの 加藤ハム三先生よろしくお願い致します。


はい加藤ハム三です。  

ペットには人に言えない様々な悩みがあります。

解決の方法を一緒に探していきましょう!




トゥルルル トゥルルル・・・・・・カチャッ


ハイッ ペット人生相談です。


アッ よろしくお願いします。


エー きょうはどんなご相談ですか?


アッ ハイッ 現在の待遇に不満があるんですが・・・・・


ンー 飼い主さんとの関係ですネ。

それでは先ず、あなたの事を教えて下さい。



ハイ  エー 私は生後一年になる飼い猫で、名前は じんべえ っていいます。


アッ、お名前は結構ですよ。


アッ こりゃドーモ。 エー 生後2ヶ月ほどで今の飼い主のところへ連れてこられたんですが・・・・・・


オス メス どちらでしょう?


オスです。 アッ 正確に言えば 元オス って感じです。


飼い主さんの家族構成は?


ハイ エー 私は主に2階で飼われてるんですけど、その2階は40代の夫婦に

中学3年の男の子、中学2年の女の子、小学5年の男の子の5人です。


それで今の待遇に対して不満があるというのは具体的にどういった事に対する不満なんでしょう?


ハイ 簡単に言えば、以前よりサービスが低下したって事なんです。


といいますと?


ハイ 例えば、私がメガネのダンナって呼んでるオッサンなんか以前は部屋に入って来るたび

何かしらのおやつをくれたもんです。ところが最近は私の事をまたいで通り過ぎたり、

こないだなんて危うくシッポ踏まれそうになったりして・・・・・・


ンー つまり食に対しての不満という事ですね?


まーそぉ言われちゃうとお恥ずかしい限りなんですけど・・・・・・・

以前は私が脱走すると必ず私の好物の海苔で釣って私を部屋に連れ戻したりしてたんですヨ。

まぁ 私もそれが目当てで脱走するフリしてたようなところもあったんですけどネ、

もぉー最近じゃ 「どーぞ!」 ってな感じで、 全然焦ったそぶりもなく余裕かましてたりするわけですよ。


ンーなるほど。飼い主さんとの関係を以前のような形にするにはどうすれば良いのかという事ですね。

ハイ 分かりました。 それでは今日は、ペット心理学の 大原わん子先生にお越しいただいてますので

色々とお話を伺ってみて下さい。



アッ ハイ よろしくお願いします。



大原です。こんにちは。 ンー 先ずね、あなたに一つだけ聞いてもいいかしら?


アッ ハイ。


あなた飼い主さんに求められた時どんな態度で接してるのかしら?


・・・・・・・求められた時って言いますと?


つまりね おいで って言われて飼い主さんがあなたの事を抱っこしようとしたりするでしょ、

そんな時のあなた、どんな感じなんだろー?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


ンー答えられないって事はズバリ言ってもいいかしら?

あのネ、飼い主さんが おいで ってあなたを呼んだ時、あなた寝てたりしてシッポをシュタッと一振りの

横着なリアクションをとったりしてるんじゃないのかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


図星?

それじゃあね、飼い主さんが部屋に入ってきた時、あなた一度でも飼い主さんに会えた喜びを

シッポがちぎれるくらい振って表わした事があったのかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


一度でも飼い主さんと触れ合える喜びに打ち震え、

お腹を見せてオシッコちびったりした事があったのかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


一度でも飼い主さんへ親愛の情を込めて飼い主さんの顔をベロベロ舐めてあげたことがあったのかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


なかった! なかったのよ! そう あなた今までそういう事をしてこなかったわけ。

あのね いい? ここからが大事! よく聴いてね。

あなた海苔が好きって言ってたわよね?


ええ まぁ好物ではあります。


海苔もらえて当然! って思ってないかしら?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


あなたね、海苔というおやつが欲しいんだったら媚を売りなさいよ!

シッポを振るのッ! ウレションちびるのッ! 顔をヨダレだらけにしてあげるのッ!

そぉーしてあなたの好物を勝ち取るのッ。 もーだからネコってダメなのよ・・・・・・・。

とにかく、 あらゆる手を使って媚を売るの! ね聴いてる?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


そうなの、 そうなのよ、 あんたがたネコはいつもそう。 身勝手なのッ!

わがままなのッ! はっきり言って自己チューなのよッ!

私らイヌ族がどんだけ努力して人間界で生き残る術を確立してきたかなんて

あんた方ネコ族には決して分かりっこないのッ・・・・・ね聴いてるの?

ねえ、なんか言いなさいよッ!  かけてきたのはあんたの方なのよ・・・・・・・・・・・・・



プー プー プー プー プー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「 イヌとネコはかなり違う 」 ミケランジェロの言葉です。

                                     2007年8月10日





     
            
若葉の頃












皆様の「日々コレ」をお寄せ下さい! 〜 
gimme some lovin'


皆様が日頃「いいナー」と感じておられる事や、お気に入りの物、大好きな人などをご紹介下さい。

随時このコーナーで「皆様の日々コレ」として掲載させて頂きます。

写真の添付も大歓迎です。

お名前はペンネーム、イニシャル何でも結構です。

出来れば所在地(県や市)などもお書き添え下さい。

出来るだけ原文のまま掲載させていただきたいと思います。

採用させていただいた方には当社謹製オリジナルポストカード5枚セットをプレゼントいたします。

以下のメールアドレスでお待ちしてます



 info@jigamidai.com



      











#098  夜のギャラリー 〜  conversation


ご注文いただいたお姿が完成し、お施主様にお納めさせていただく前に写真を撮影させて頂きます。

撮影する場所は当社のギャラリー。

撮影する時間帯はたいがい、家族の寝静まった真夜中。

外を通る車も少なく、静かなギャラリーの中で、ライティングや角度を変え、試行錯誤しながらの撮影です。

以前はプロの写真屋さんにお任せしていたのですが、デジタルカメラを求めてからは、

出来るだけ自分で撮影する事を心がけています。

謹刻させていただくお姿は、大きさや形が全てまちまちであるため、

完成のお姿を写真に残すことは大変に重要な仕事です。

それだけに、出来るだけ良い写真を残さなければと努力しているのですが、まだまだ勉強中です。


真夜中の撮影会は私にとってエネルギーを要する事ではありますが、楽しい時間でもあります。

ファインダー越しに、いろんな角度からお姿を捉えると様々な発見があり、いつの間にか

お姿と対話を交わしている自分に気付きます。


下の写真は最近納めさせて頂いた、釈迦十大弟子の内の二尊、

迦葉尊者(マハーカッサパ) と 阿難尊者(アーナンダ) の尊像を撮影したものです。

本来、須弥壇上お釈迦様の左右に脇侍として並列されるお姿ですが、

第一結集のシーンを想定して構成してみました。

                                    2007年8月1日





         







#097  シェア 〜  atmosphere


出張先の盛岡のホテルでチャンネルをあれこれ変えながらテレビを見ていたところ、

MAYA MAXXさんが出ておられたのでリモコンを持つ指が止まりました。

番組はほとんど終わろうとしているところでしたが、最後のコメントがとても印象的でした。

それは、『実際に会う事』 が、いかにパワフルな事であるかを語られていた部分ですが、

携帯電話や、メールでのコミュニケーションを例に挙げられ、

それらは、時間は共有できても空間は共有できない事、

そして、実際に会って同じ時間、空間を共有する事でこそ生まれるものがある。 

というような内容でした。


翌日、仕事を終え帰路についたのですが、少し早い時間だったので

思い切って高速を下り、平泉の中尊寺さんへお参りすることにしました。

以前にも何度かお参りさせていただいておるのですが、夏場におじゃまするのは今回が初めて。

木漏れ日の差す参道はニイニイゼミの合唱と、ヒグラシ〜ソロの競演。

夏草のにおいとあいまって、なんだか大変文化的な事をしているようないい気分になりました。


色々な仏様にお参りさせて頂き、「さて、金色堂へ」と歩みを進めた時、右腕に痒みを覚えました。

見れば、蚊に刺され、赤くぷっくり。

ポリポリ腕を掻きながら金色堂をお参りし、帰ろうと駐車場に戻る道すがら ふと、

今鳴いているヒグラシは芭蕉さんの聞いたヒグラシの声の主の何十代目かの子孫かもしれない・・・・だとか

私の血を吸った蚊は、その昔 つわものども の首筋なんかをカイカイにした蚊の末裔かもしれない・・・・

などというクダラナイ考えが頭に浮かびました。

ついでに、昨晩のMAYA MAXXさんの言葉を思い出し、

古人と空間を共有したような、そして、極めて文化的な事をしたような満足感を感じながらお寺をあとにしました。


帰りの車の中で 「島人ぬ宝」 の歌詞の一節が心に浮かびました。


    テレビでは映せない ラジオでも流せない 大切なものが きっとここにあるはずさ・・・・・・・


実際に会う事、実際に訪れる事、実際に試してみる事、

それらを 「現場主義」 というパッケージングされた言葉で表現してしまうと心に響きませんが、

「空間を共有する」 という表現は、中尊寺のヒグラシの声の如く、私の心の中で響き渡ります。

                                                  2007年7月26日




       





               島人ぬ宝





#096  感受性 〜  mutual understanding


新聞で河合隼雄さんが亡くなられた事を知り驚きました。

氏の事を以前から良く知っていたわけでも、著作を何冊も読んだわけでもありませんが、

ある事がきっかけとなり、氏の事が気になり始めました。

そのきっかけとは、1年ほど前 北海道への出張で乗った飛行機の中で手にした

機内誌に掲載された氏の特集記事を目にした事でした。

その晩早速、宿泊先であった稚内の書店で 「こころの処方箋」 という氏の本を求め、

その本が出張中の「お供の1冊」となりました。


機内誌の特集の中で特に印象に残ったのは、心理療法の一種である「箱庭療法」について

述べられている箇所でした。以下、抜粋させて頂きます。



「誰でも心の中に物語を持っているんです。 それを表わす。

言葉というのは、相当明確になったものを表現する手段ですが、

僕らは言語以前の ”イメージ” をすごく大事にするんです。

無意識の世界というかな。・・・・・・・・・・・・・・・」




自分でも気が付いていない「自分」が箱庭の中に表現される・・・・・

という事を説明するための前フリのお話なのですが、


〜言語以前のイメージ〜

という言葉は、箱庭療法にとどまらず、色々な考えを誘発させるとても心に響く箇所でした。


自分の中では明確であっても、それを表現する適切な言葉がなかったり、

適切と思って使った言葉が、自分が思ったようには相手に伝わらなかったり・・・・・・・。

不立文字 などという言葉や、

畏れ多くも、お悟りを開かれたお釈迦様が、多くの修行者から教えを乞われたにもかかわらず、

最初のうちはそれを、ためらわれた というお話を思い出しました。

仮に自分の中にある言葉にならないような複雑な感情を100とします。

それをどうにか言葉で表現して他者に伝達し、相手の頭の中に結ばれたイメージと比較した時、

どれほど100に近づける事が出来るのか・・・・・・・・?


先日、河合さんが亡くなられた事をうけて、NHKで氏が4人の方と対談された番組が再放送されました。

それを見ると4人の方皆さん饒舌で、河合さんはあくまでも聞き役にまわられておられるのが興味深かったのですが、

「河合さんなら私が言おうとする意味を分かってくれる。」

そんな安心感が皆さんを饒舌にさせたのだろうと思い、聞き上手というのは相槌の上手さではなく、

その人の内面にある理解力や包容力の事なのだと感じました。


「日常生活に宗教性を深く溶け込ませる」 という日本人の特性を忘れがちな私たちに、

その大切さを しばわんこちゃん が丁寧にやさしく教えてくれます。


これは 「しばわんこの和のこころ」 という本の帯に記された河合隼雄氏の文化庁長官としての推薦文です。

ご冥福をお祈りいたします。

                                   2007年7月23日





     







#095  ニャンコロジー 〜  interview


ニャンコロジー きょうはネコのじんべえ君をお迎えしてお話を伺いたいと思います。

じんべえ君こんにちは!

  
「アッ ドーモ」

いやーずいぶんと大きくなりましたね〜

  
「恐縮ッス」

前回のニャンコロジーでは飼い主の方からお話を伺ったのですが、ご覧になられましたか?

  
「ええ まぁ・・・・・」

ご本人の立場から色々おっしゃりたい事もあるんじゃないですか?

  
「おっしゃるも何もあーた 聞いてくださいよ!!」

ハイハイ伺いますよ! ここはそういうコーナーです。


  
「こないだネ 寝てた訳ですヨ ホゲホゲと いつものように 冷蔵庫の上で。」


     


ハイハイそれで?

  
「そしたらね、居間の方から誰かが入ってくる気配がしたんスけど 

  どうせノリとかもらえるわけないナ〜って思ってシランプリしてたわけ。」


あーそう言えばじんべえ君、海苔が大好物なんですよね!

  
「そうそう あの香り、パリパリ感 もうタマンナイッス!! もうウットリ・・・・・・・

  ・・・・・・な〜んて事はどうでもいいんですよ!  とにかくね無視してたわけ。」


ハイハイ。

  
「そしたらね ノリの缶がシュポンと開く音がした訳ですよ ちょっとわざとらしく・・・・」

ほーなるほど。

  
「これ当然行きますよね? 普通。」

いや〜私は海苔にはそんなに反応しないと思いますが・・・・

  
「そーゆー事言ってるんじゃなくて  あぁ〜もぉ〜 好物をくれるっていうなら行くでしょっ!!って事ですよッ!」

あーハイハイ。

  
「それでね行った訳ですよヤッターとか思いながら」


        


  「でもね ちょっとおかしいと思ったわけ、今から思えばネ そこで気付かなかったのがネ 甘かったなと・・・」


エッ! 何かあったんですか?

  
「普段ノリとかのおやつは食事をするトレーにのせられるわけですよ 一応ネ・・・

  ところがその時に限ってメガネのダンナ、どういうわけかノリをチラつかせながら

  お風呂場の方へ向かって行くじゃあーりませんか。」


その語尾の言い方かなり古いですね 何年生まれですか?

  
「だ・か・ら!そーゆー事じゃなくてッ!!違うでしょポイントがっ!モウッ!!!」


















     


いや失礼失礼 それで?

  
「それでねどうしたってついて行きますよね?普通。」

いや〜私は海苔につられてお風呂場には行かないと思いますが・・・・・・

  
「だきゃら! あ〜もぉ〜」



















     



















「ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ・・・・・・」


     


エ〜ッ!いきなり毛づくろいですか〜?

 
 「・・・・・・・・ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺぺろぺろぺろぺろぺろぺろ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」















  「んツ?」


     




 〜 ここでしばしスーパーボールにじゃれつき中断 〜







 「それでねお風呂場の方へ行ったわけです。」



     


なんかじんべえ君って気分屋さんですね。



  
「そしたらネ・・・」

いやーマイペースだなぁ〜


  
「そしたらネ、ノリはもらえたわけ。それをネ食べ終わって ネェモット〜 ってオネダリしようと顔を上げたわけ、

  そしたらネ、なんかメガネのダンナの様子がおかしいのぉ なんかネ口元がニンマリ笑ってるんだけど
  
  目がね・・・・・・・・・・・・笑ってないワケ・・・。」

なんだか急にオネエ言葉になってるみたいですが・・・・

  
「しょーがないジャナイッ取っちゃったんだから〜  もー大変だったわよ。 毛まで剃られて・・・・・」












         


・・・・・・・・・・・・・・・・

  
「そいでネ、変だナ〜って思ってたらイキナリ・・・・・・」

いきなり?

  
「お湯を・・・・・」


     


お湯を?・・・・・




  
「ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ・・・・・・・・・・」


     


エ〜 またですか〜?

  
「・・・・・・・・・・・・ぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろぺろ・・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  

  ・・・・・・・・・・・・・ん!?」


        


あれっ! あっ、あの じんべえ君? お湯がどうしたんですか〜?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





          



エ〜 じんべえ君、何か虫のようなものを見つけてどこかへ行ってしまいました。

途中ですがニャンコロジー今回はこの辺で・・・・・・

次回は 「モフ毛はオネエの命」 と題しておおくりします。


                                じんべえく〜んギャラの海苔ですよ〜・・・・・・・

                                                  2007年7月10日





      
           「正直夏は苦手ッス」と、じんべえ君



      ニャンコTHEムービー  click to go!!






#094  色 〜 imaginary memories


     夜明け間近の コバルトブルーの空は

            こんなにも美しいのに 私は泣いてばかり・・・・・・・


     夜明け間近の コバルトブルーの海は

            こんなにも穏やかなのに 心はざわめくばかり・・・・・・・



これは、同い年の いとこ から紹介してもらった indigo blue

「コバルトブルー」 という曲の1番と2番の歌い出しの歌詞です。

最近この曲が入っているCDを借りて運転中に聞いていたのですが、すっかりハマッテしまいました。

アルバム全編通して、正直な歌詞(私が勝手に思っているだけですが・・・)が

心地よいメロディーにのって唄われる一枚です。

特にこの コバルトブルー は情景が目に浮かぶとてもいい曲で、一番のお気に入りです。

冒頭の歌詞からは 薄暗がりの海辺のひんやりした空気が感じられ、

砂浜に立ち、海を見つめ、

相手に自分の気持ちを素直に伝えられないもどかしさに涙する女性の姿が浮かび上がり

いつしかその女性が自分になっていたりして・・・・・・・・・・

「そこに感情移入かよッ!!!」 と自分につっこみを入れながら聴いております。

「海」 「航海」 ・・・ じゃなくて 「後悔」 とくれば

紙ナプキンにインクがにじむ 
あの曲 が思い出されますが、

色が登場する曲はちょっと考えただけでもたくさんあります。


   ♪心の岸辺に咲いた赤いスイートピー  〜  赤いスイートピー

   ♪あ〜青いかぜ切って走れあの島へ  〜  青い珊瑚礁

   ♪渚に白いパラソル心は砂時計よ  〜   白いパラソル

   ♪ラベンダーの夜明けの海が見たいの  〜  渚のバルコニー

   ♪蒼ざめた月が東からのぼるわ  〜  ガラスの林檎

   ♪映画色の街 美しい日々が切れ切れに映る  〜  瞳はダイヤモンド

   ♪今の青さを失くさないでね蒼いフォトグラフ  〜  蒼いフォトグラフ


お分かりでしょうか?

「エッ聖子ちゃん好きなの?」 って聞かないで 嘘つくのは上手じゃない・・・・・

「いいじゃないか S38年うまれだものッ!」

エー とりとめがなくなってしまいましたが、とにかく言葉としての色は想像の世界を大きく拡げてくれます。


indigo blue おススメです!!

                                            2007年7月8日



          



               indigo blue 公式サイト click to go!

               indigo blue アマゾンのレヴュー
         
            
           ♪
コバルトブルー カバー  竹蔵蕎麦やまたけ御主人のバンド


              竹蔵蕎麦やまたけ web site click to go!



          追記:いとこによれば 「コバルトブルー」 はお父さんの事をうたった曲だとの事。

              そのお父さんとは、芦屋雁之助さんだそうです。

              それを知ってから聴くと又、違った意味を持って心に響きます。



                      コバルトブルー  歌詞  click to go





#093  凡をきわめる 〜 Why?


お世話になっている銀行さん主催の講演会に行ってきました。

講演は 花王の会長 後藤卓也さん。

演題は 「花王の経営姿勢とよきモノづくり」。

穏やかな口調、わかり易い言葉、丁寧な説明。

時の経つのを忘れ拝聴させて頂きました。

せっかく伺った貴重なお話を忘れないため、

特に印象に残った事をここに記しておきたいと思います。



講演は創業当時のお話から始まりました。


今でこそたくさんの製品が溢れている日本ですが、明治、大正の頃は石鹸ですら高級品で、

国産のものは質が悪く、外国製は良質ながら大変高価であったとの事。

そこで花王の創業者の方は、

「国産で、良質かつ安価な石鹸を出来るだけ多くの皆さんへ」

との思いから、石鹸の生産に乗り出されたのだそうです。

今では石鹸はもちろんの事、十人十色ならぬ一人十色のニーズに対応した

様々な製品を扱われている花王さんですが、モノづくりの根底にあるのは

創業当時から変わらず 『よきモノづくりと絶えざる革新』 という哲学。


  
〜よきモノづくりはメーカーの原点であり、よきモノづくりには絶えざる革新が必要である。〜


自社の核となる技術(何が得意であるのか)を見つめ、それを進化させる知恵と工夫を愚直なまでに探求する事。

分かっているけど出来ていない事を見つめ、基本に立ち返り、出来るように努力していく事。


よく 「花王のコマーシャルは面白くない」 と言われるのだそうですが、

それは、イメージが先行した一過性のメッセージより、その製品が消費者、使用者に

どんな利益をもたらすのかをまじめに伝えたいからこそ、との事。

そして、その利益は、現象の背景にある 「真理〜原理、原則」 の探求から生まれるという事を

何度も強調されておられました。

さらに、現象の背景にある真理を探求するためには
〜キョロキョロする好奇心〜が大切だとの事。

「なぜそうなるのだろう?」 「どうしてそうならないのだろう?」 といった日常の些細な事柄に興味を抱き、

その積み重ねの中からヒラメキが生まれるのだそうです。

お好きな言葉は 
「凡をきわめて非凡に至る」

何気なく使わせていただいている花王の製品や、日頃テレビで見るコマーシャルを、

そんな観点で見直してみると 「そういう哲学が背景にあっての事か」 と合点が行きます。


その他にも経営者としての心構えや、経営に関するたくさんの貴重なお話を伺いましたが、

私がここまで記したものを自身で読み返してみると、「当たり前のこと」に感じられます。

その「当たり前のこと」が会長さんの口から発せられると、大変な説得力を持った魅力的なお話になるのは、

ご自身の経験と自信に裏付けされているからこそと思います。

そして、その「当たり前のこと」を
実践継続していく事がいかに大変で非凡な事であるかを想いました。

                                                  2007年7月7日



    
           講演の資料より




         動画 Click To Go !





#092  演者 〜 actor


出張で高速道路を運転中によく落語のCDやカセットテープを楽しみます。

時速100kmで移動する 「高速移動演芸場」。


色々な演目の中で一番のヘビー・ローテーションが立川談志師匠の

「鼠の穴」 と 「天災」 という噺が入ったカセットテープ。

かれこれ10年以上前に求めたものですが、今でもよく手がのびる作品です。

とにかく登場人物の演じ分けが見事で、何度聞いても「お話の中」に引き込まれ、

楽しみながらも、いつも感心してしまいます。

「鼠穴」 に登場する大店の主人と、それを頼って田舎から出てきた弟とのやりとり。

「天災」 の喧嘩っ早い江戸っ子の職人と、その家族、そしてその男に道を説く先生との丁々発止。

私がそのすばらしさをここで述べてもまったくの今更ですし、

芸について語ったりするのは大変におこがましいかぎりですが、

各人物の内面、言い換えればいろんな人物の感じ方が分かるからこそ

生き生きとした演じ分けが展開されるのではないかと思い、

この作品に接してから以前に持っていた師匠へのイメージが変化しました。



     



さて、今更ついでのMr.ロバート・デ・ニーロ

彼が出演した映画を全て観た訳ではないので、

談志師匠同様、熱狂的な支持者がいる彼の事を語るのはためらいを感じるのですが、

色々な映画で演じられるキャラクターはとても魅力的で惹きつけられます。

特に 「ミッドナイト・ラン」 という作品は、DVDで何度も繰り返し観ているお気に入りの作品です。

公開当時はアクション映画として捉えてしまい、物足りなさを感じたのですが、

DVDを求め、観かえしてみると、小ネタ満載のクスッと笑えるロード・ムービーとして楽しむことが出来、

観るたびに発見のある一本です。

レストランで食事を終えチップを計算しながらテーブルにお金を置く仕草、

そして、その額が少ないと文句をつける同行人とのやりとりなど、何気ない場面がごく自然に演じられ、

作品の中に引き込まれ、楽しみながらも感心してしまいます。

再び、演技について語るなど、誠に身の程知らずなのですが、

キャラクターの内面やバックグラウンドが描かれているからこそ魅力があり、

それがごく自然に演じられている事で味わい深いものになっているのだと思います。


演じる人たちってつくづく 「すごいなー」 と単純に尊敬してしまいます。

                                      2007年6月30日





       




       ■ミッドナイト・ラン  レストランでのチップのシーン

      ■ミッドナイト・ラン 予告編

      ■エルモと演じる事について語るMr.デ・ニーロ





#091  「仏像のひみつ」 〜 Get The Knack!


山本勉著 「仏像のひみつ」

新聞に掲載された南伸坊氏の書評を目にし、迷わず購入しました。

その書評の一部をご紹介します。


   
この本は「伝説の仏像本」になるだろう。 と私は思う。

   今まで、誰もがする、してしまうような本作りをしなかった。

   それがこの本の画期的なところになった。

   端的に言うなら、情報を減らしたことである。

   テクニカルタームをできるかぎり使わず、漢字にはルビをふる。

   読者の興味を喚起はしても、深追いしない。





     




どうです? 読んでみたくなりませんか?

この書評自体、読者の興味をものすごく喚起させる文章で、

私は新聞を切り取ってその書評を、求めた本のとびらに貼り付けてあります。


さて、この「仏像のひみつ」の最初に記されている 
ひみつ その1 は、

「仏像たちにも
ソシキがある!」 というタイトルで始まります。

実はこの度、当社ホームページの目次のページが新しくなりまして、

今までは、お釈迦様のお姿を時系列でご紹介させていただいておりましたが、

今回は 
「ソシキ」 を意識したものとなっております。





一番初めに登場するのが 四天王の内の 「増長天」 のお姿です。

このお姿は 
「天部〜てんぶ」 という 「ソシキ」 に属します。

「天」は、そのほとんどが元々バラモン教などの異教の神様で、仏教に採り入れられて、

仏教を守護する神様となりました。 これらの神々が天上界に住まわれていることから、

「天」という名前がつけられたそうです。




            
      当社謹刻 持国天像(四天王)        弁財天坐像(鎌倉時代) 東京国立博物館にて



          〜 その他の「天部」のお姿  仁王 大黒天 韋駄天 など。







次に登場するのは、「不動明王」 のお姿で、「明王〜みょうおう」 という「ソシキ」に属します。

「明王」は如来の命を受けて反仏教的な衆生を調伏するためにあらわれるお姿です。

ですから、ワルイモノをおそれさせる、こわいお姿(忿怒形〜ふんぬぎょう)をされています。





            
       当社謹刻 愛染明王像                 当社謹刻 不動明王像



       〜その他の「明王」のお姿  孔雀明王 烏枢沙摩(ウスサマ)明王 など







次に登場しますのは、「延命観音」 のお姿です。

親しみ深い観音様は 
「菩薩〜ぼさつ」 という 「ソシキ」 に属します。

観音様にも色々なお姿、例えば 十一面観音様 や 千手観音様 がおられますが、

これらの観音様も 観世音菩薩〜かんぜおんぼさつ という 「菩薩様」 です。

つまり、観音様は「菩薩」という大きな「ソシキ」の中の

「観世音菩薩」という細分化された「ソシキ」に属していることになります。

又、文殊様や普賢様、お地蔵様 も 文殊菩薩 普賢菩薩 地蔵菩薩 という 「菩薩様」 です。

菩薩様は、真のお悟りを求めて仏になろうとする誓願をたてられ、

いつも私たちの身近にいてくださる仏様です。(#040をご参照下さい。)





             
   当社謹刻 ほほえみ地蔵(砂岩)           当社謹刻 自在観音  「拈華微笑」 書 岡部陽子



        〜その他の「菩薩」のお姿   虚空蔵菩薩 勢至菩薩 日光菩薩 月光菩薩 薬王菩薩 など







最後に登場されるのは、「お釈迦様」 のお姿です。

お釈迦様は 
「如来〜にょらい」 という 「ソシキ」 に属されます。

「如来」 は 如〜真実 から来生された方という意味で、

お悟りを開かれた方の事。「仏陀」 ともおよびします。(#040をご参照下さい。)





             
       当社謹刻 釈迦如来坐像               如来立像 ガンダーラ仏  東京国立博物館にて



             
〜その他の「如来」のお姿  阿弥陀如来 薬師如来 など





上記の事は、既に良くご存知の方もおられる事と思います。

でも、もしそうでなければ、今度お寺さんや博物館などで仏様に出会われる機会に、

「どのソシキに属されるお姿でしょう?」 と、ご自分にクイズを出されてみてはいかがでしょうか?

天部 明王 菩薩 如来 その四種類の区別がつくことで、

御仏像への興味の扉が大きく開かれるのではないかと存じます。  合掌

                                        2007年6月30日





               
            如来五尊像(主尊の如来を四尊の菩薩が脇侍する) 
           中国 西魏 東京国立博物館にて撮影させていただく。







#090  におい 〜 reminds me


先日、町内のお知らせを配り終え、家に帰る時、

ちょっと遠回りして、子供の頃よく通った道を久しぶりに歩いてみました。

昼間でも薄暗い墓地を通り抜け神社にたどり着く細い小道。

草と土の匂いにまじって、ちょっとだけ匂う錆びた鉄の匂い。

けっしていい匂いではないのですが、その匂いが小学生だった頃を思い出させました。


学校が週6日あったその頃、

土曜日のお昼間、その道を通って神社の近くのパン屋さんへよくお使いに走らされました。

そのパン屋さんは、お願いすると食パンにイチゴジャムやピーナッツクリームなどを

大きな四角い缶から金属製のヘラでたっぷり塗ってくれ、私はそれが大好きでした。

家に帰り、白い薄い紙の袋からそのサンドイッチを取り出すと、

焼きたてフワフワの食パンの香りが鼻をくすぐり食欲をそそりました。

又、学校から帰り、毎日のように時間を忘れ神社で遊んでいると、

少し離れたところにある銀行の時計台がキンコンカンコンと午後5時を知らせ、

毎日のように「早く帰らねどごしゃがれる」 〜早く帰らないと叱られる 

と、焦りながらその道を通って家路を急いだものでした。


匂いはたくさんの忘れかけていた事を思い出させてくれます。

すれ違いざまに香る女性の化粧の匂いが、幼稚園の母親参観の事を思い出させたりして、

懐かしさのあまりクンクンしたりしてしまいますが、誤解を受けないようにしたいと思います。


さて、昨日は旧の端午の節句。

当社の屋根には菖蒲がのせられ、昨晩は久々に菖蒲湯につかりました。

その菖蒲とヨモギの香りが、幼い頃、母が薪をくべて沸かしていたお風呂の事や、

タイル張りの浴槽の事、リンスは洗面器のお湯に溶かし、そこに頭をつけて使っていた事、

ハンドルを回し、ローラーで脱水する洗濯機の事などを思い出させてくれました。

ついこの間のような気もするのですが、だいぶ前のような気もします。

                                    2007年6月20日



         
      菖蒲についての説明  click to go!




【なつかしい映像】

♪イギリス オランダ ブルガリア〜  バイキングは愉快なのか?

♪あのねのね〜 山ねずみはそんなにカワイイのか?

♪探し求める少年 淋しくないのか?

♪きこえてくるよ〜  おいちゃんの声が!

♪男子大興奮!





#089  石の壺 〜 much more than 4000yen


高校受験に合格したら買おうと計画していたものがありました。(約30年前!)

ザ・ローリング・ストーンズの2枚組みライブアルバム 「ラブ・ユー・ライブ」  4千円也!!


    


音楽雑誌で 「最高のロックバンドの最高のライブ!」

「興奮のるつぼ!偉大なるライブ!!」 などのレコード評を目にし、

これを自分へのご褒美にしようと決めていました。

しかし、めでたく合格し、発表のその日にレコード屋さんで求め、早速家に帰り針を落とすと、

流れてきたのは何やらガチャガチャと聞いた事がないようなノイズ、そして叫び声。

ストーンズ初心者であった私は、全くその良さが分からず、4千円の大枚を無駄にしてしまったと失望しました。

それでも、せっかく4千円を払ったのだからと我慢して、そのノイズと叫び声を聞き続けました。

それはストーンズを好きになろうという行為ではなく、なんとか4千円の元を取ろうとする

高校一年生なりの涙ぐましい消費活動であったような気がします。

しかしながら一向に元が取れた手ごたえは生まれず、あきらめかけていました。

今から思えば、ストーンズ初心者の最初の一枚として、この「ラブ・ユー・ライブ」というレコードは

少々ハードルの高いものだったかもしれません。

おとなしくスタジオ録音のベスト盤などにしておけば良かったのでしょう。


高校一年生にとって2枚組み4千円のレコードを「外してしまった」という事実はかなりの一大事で、

半ば意地になって聞き続けていたある日、突然、私の心に
シュボッ!とストーンズの火が燃え上がりました。

「4千円もったいない」 の一念が、このアルバムを味わうための回路を脳にこしらえさせたのです。

以来、その調子の外れた爆音のようなノイズと、

ただ 『がなって』 いるような叫び声が心地よく 『音楽』 として心に響き、

どんどん彼らの世界に引き込まれていきました。


色々な世界との出会いには様々な形がありますが、私とストーンズの出会いは、

4千円という値段が決め手だったかもしれません。

2千円だったらこんなにも彼らのことを好きにならなかったかも・・・・・。

BIG なロック・バンドとの CHEAP で EXPENSIVE な出会い!


さて、このライブ盤の楽しみ方としておススメしたいのは、

夏の夕方、雷を伴った豪雨の時、可能な限りボリュームを上げてプレーしていただくことです。

激しい雨音や落雷の音、稲光が、ある意味借景となって、祭りの雰囲気をいっそう煽ります。

特にブラウン・シュガーが終わってジャンピン・ジャック・フラッシュへ移行する時の盛り上がりは、

風神雷神入り乱れての大騒ぎ、正に興奮のるつぼです!!

気を付けなければいけないのは同居人がいる場合。

「何やってんの!」と、いきなりスイッチを切られてしまう可能性があります。

その場合 「俺は今4千円の元を取っているんだ!ベイビー」 

などと、ミック・ジャガー張りに主張したくなりますが、

ミックではない私は、素直に従う事にしています。 


                                      2007年6月11日




    





    ♪
ブラウン・シュガー  カバー

    ♪
ジャンピン・ジャック・フラッシュ  アレサ・フランクリン






#088  FUN FUN FUN 〜 I like it


乳幼児を観察していると、その無邪気さに驚かされます。

描きたいから絵を描く。

歌いたいから歌を歌う。

踊りたいから身体を動かす。

誰が教えた訳でも、頼んだ訳でもないのに、心の命ずるまま純粋にその行為を楽しむ。

きれいな線を引きたいとか、音を外さないようにしようとか、格好良く踊ろうなんて邪念は一切なし。

ただそうしたいからそうしているだけ、もしくは、そうせずにはおれないからそうしているだけ。

理由なし、損得勘定なし、比較なし。

あるのは描きたい、声を出したい、身体を揺さぶりたいという抑えがたい欲求のみ。

でも、いつしかその本能には 「ハズカシイ」 とか 「ワラワレタクナイ」 とか 「ジョウシキ」 などのフィルターが

幾重にもかけられ、欲求の光線は弱められ、それはもう無い事のように思い込んでしまいがちです。

なのですが、言葉で論理的に考える事を学ぶ前の自分、

チラシの裏にボールペンで落書きしていた自分、

下校の時スキップしながらコマーシャルの歌を大声で友達と歌っていた自分、

そんな自分がまだどこかにいるはず。

頑固にへばりついたフィルターを一枚一枚剥がしていくのはなかなか大変な事の様に思えますが、

以外に簡単な事のようにも思えます。


ローリング・ストーンズの歌詞に

I know it's only Rock'n Roll but I like it  〜 たかがロック なんて事は百も承知。でも好きなんだ!

というのがあります。好きな事を自由にやっている時の自分は当然楽しいのですが、

好きな事を楽しそうにやっている人を見るのも又、楽しいものです。

好きな事に没頭すれば、どんどん子供の頃の感覚に戻っていけるかもしれません!

                                             2007年6月2日



    

          

 歯医者の待合室にあった雑誌を携帯電話でパシャリ! パウル・クレーという画家の記事。




          
                ♪イッツ・オンリー・ロックンロール
                 
いろんな人がたくさん登場します。




オマケ。 ユーチューブで見つけた音を楽しむ人々。 全て素人さんです。

ドゥービーのリッスン・トゥー・ザ・ミュージックをカントリータッチで!

クイーンのドント・ストップ・ミー・ナウをアカペラで。 やってる方も見てる人たちも楽しそう!

ストーンズのホンキートンク・ウーマンをブルーグラスで! 

アメリカのシスター・ゴールデン・ヘアーをお友達で! すごくハッピー!

シェリル・クローのカバー アコースティック! いい感じです。

ジャクソン5のアイ・ウオンチュー・バック アコースティック!! こちらもいい感じ。

こちらはアカペラ!

S&G いとしのセシリア! 演劇?

同じくセシリア アカペラ! 楽しそうでうらやましい!!

ユーミン やさしさに包まれたならのカバー 日本代表!

ロバータ・フラック やさしくうたって ブラザーに囲まれて!

E.W.&F. セプテンバー  フィリップ・ベイリー役の登場で大盛り上がり!

マドンナ ライク・ア・プレーヤー  アカペラ!

アイズ・オブ・ザ・タイガー ロッキーのテーマ  この人たちスゴイです!!

極めつけ! スリラー!! 楽しませる事を楽しんでる人たちを見る楽しさ!!!






#087  ニャンコロジー 〜  interview


きょうは、この日々コレに度々ご登場いただいているネコのじんべえ君、

その飼い主である じんべえ君の世話人様 を、お招きして色々とお話を伺いたいと思います。


じんべえ君の世話人様こんにちは! どうぞよろしくお願いいたします。

  
「こんにちは こちらこそよろしくお願いします。」

最初に、最近のじんべえ君の様子をお聞かせください。

  
「はい 最近のじんべえは相変わらず海苔好きの無邪気な食いしん坊なのですが、

  体重は5.2キロになり、かなり堂々とした体格になってきました。でも、兄弟のドラちゃんは

  既に8キロ以上という事なので、まだまだですね! じんべえのお父さんはメインクーンという種類の

  ゴージャスなネコなんですが、元の飼い主の方(猫神様〜#041をご参照ください)にお聞きしたら

  メインクーンはネコの中でも特に大きくなる種類で、オスは10キロを越える事も珍しくないとか・・・」


へー10キロですか! ちょっとした犬ですね。

  
「ええ、でも じんべえはミックスなのでどれくらい大きくなるのか・・・・・・

  今の倍くらいのじんべえを見てみたい気もしますが・・・・・。」


ところで、じんべえ君は海苔には目がないようですね。

  
「そうなんです。先日お友達がそれを知って、古くなった海苔をじんべえにと持ってきてくれました。

  海苔の缶を持っただけで、もう気もそぞろ、目の色が変わり足元にまとわりついてきます。」

海苔好きのネコって多いんですかね?

  
「分かりませんが、この間、兄弟のドラちゃんが遊びに来た時、ためしにあげてみたら、

  ぜんぜん反応せず、ねこまたぎ状態でした。 色々好みがあるみたいですね。」


その他に好きな食べ物はありますか?

  
「これは食べないでしょ・・・・とか言って主人がヨウカンをあげていましたが、

  ペロペロなめてから、けっこう美味しそうに食べていました。」

ご家族の皆さんの接し方はいかがですか?

 
 「先ず、主人は徹底した〈おやつ作戦〉で手なずけようとしています。

  出張先でペットショップに寄り、ネコ用のかまぼこやニボシを買ってきては与え、

  接触が少ない事をカバーし、印象付けようとしているようです。それが功を奏してか、

  主人が部屋に入るなり、寄って来ては切ない声でおやつを催促するようになりました。

  でも、積極的に膝にのってくるという事はないので、なついている というのとは違うようです。

  せっかく寝ているのに肉球をグリグリされたり、押さえつけられてブラッシングをされたりするので

  基本的にはあまり好いていない様な気がします。

  お手当て(おやつ)をくれるいわゆる パパ的存在 と言えるかもしれません。」


ンー笑うに笑えないお話ですね・・・・・・

  
「その点、中2になる娘にはけっこう積極的に接触を持とうと寄って来るようです。

  どこで研究したのか ネコのマッサージポイントを把握しているらしく、

  膝の上でおとなしく施術されています。孤独には耐えられないのに、束縛を嫌うじんべいが

  そのようにしているのはとても稀な事ので、父親は平静を装いながらも内心は穏やかでないようです。」


ンーつくづく笑えないお話ですねー・・・・・・。

  
「中3になる長男はクールなスタンスを決めているようですが、一対一になるとけっこう

  遊んだりしているらしく、じんべえも一目置いている感があります。」

ンーますますご主人のお立場が・・・・・・・・

  
「小5の次男の事は同等もしくはそれ以下と見なしている感があります。

  次男が抱っこしようとして、逃げようとする時の様が明らかに攻撃的です。

  動物もそれなりに空気を読んでいるいるというか、パワーバランスを見極めている事には感心します。」


世話人様にはいかがですか?

  
「やはり基本的な世話、餌やトイレの掃除などは私がやっていますし、時間的にも一番長く一緒にいますから

  信頼されているのではないかという感じはします。 おやつで気を引いても、欲しいのはおやつであって

  おやつ以外の何物でもないわけです。そのへんの正直さがネコのいいところなのかもしれませんね!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  
「どうかなさいましたか?」

・・・・・あっ いえ 何でもありません。 エーまだまだお話を伺いたいところですが、

この辺で終わらせて頂きたいと思います。きょうは有難うございました。

  
「はい、こちらこそ有難うございました。

  最後にお気に入りの猫ブログをご紹介しますのでよかったらご覧ください。」

有難うございます。 又よろしくお願い致します。

ニャンコロジー次回は 「一番風呂だよ!じんべえ君」 をお送りします。 それでは!


                                          
2007年5月31日

        

        〈じんべえ君の世話人様おススメ猫ブログ〉

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         飽くなき権力闘争に疲れしばし休戦





     
         これ以上無理! じんちゃんの限界。




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#086  オリンピックの顔と顔 〜  Beijing


さて問題です。

インドの山奥で修行した・・・・と言えば・・・・・・

「ハイッ! レインボーマン!!」


   


・・・ですが、その
 ♪レインボーマンの原作者は・・・・・・・

「ハイッ! 川内康範!!!」

・・・・・です。 その川内康範氏が作詞した楽曲で、最近話題になったのは・・・・・

「ハイッ! おっ おふくろさん!!!!」

・・・・です。 その おふくろさん を歌う 森進一 が 吉田拓郎 から提供された楽曲といえば・・・・・

「ファイッ! えええ襟裳岬!!!!!」

・・・ですね!  それでは楽曲 
岬めぐり を歌ったグループの名前は・・・・・・・


えーきりがないのでやめにします。



2008年8月8日から始まる北京オリンピック。

上海の飛行場や、街中のいたるところに、その北京オリンピックの看板やポスターが目立つようになりました。

それらに必ず登場するキャラクターたち。


    


以前から気になっていました。

五輪だから5種類のキャラなのでしょう。

嫌いじゃありません。 むしろ積極的に好きになる努力をしたいくらいです。

でもあと2種類付け加えて欲しかった・・・・・・

できれば2種類加えて7種類にして欲しかった・・・・・・・

そうすればレインボーマンだったのに・・・・・・ここでしばしヨガの眠り・・・・・・


さて、仏塔の種類に 五輪塔 というものがありますが、

この五輪塔、古代インドにおいて物質を構成していると考えられた5つの要素、

地 水 火 風 空 をそれぞれ、四角 球 三角 半球 宝珠形 で表わしたもので、

平安中期から供養塔などとして建立された との事。


一方、オリンピックのシンボルマークの五輪

一般には五つの大陸を表わしているといわれているようですが、

その五輪にちなんだと思われる北京オリンピックの5つのキャラクター、

調べてみると それぞれに名前や意味合いがあることが判明しました。


はじめに 水色が ベイベイ という名前で魚がモチーフ。

中国では魚は縁起の良い生き物らしく、

又、魚のように早く泳ぐというような意味が込められているのかもしれません。

はにまる を思い出すのは私だけでしょうか?

   


黒はパンダのモチーフ 名前は ジンジン 。 

中国といえば当然この大熊猫の登場でありましょう。

パンダはどういじっても大抵可愛くなるのに#074に登場の彼はどうした事でしょう!

   


赤の名前は ホアンホアン。 聖火がモチーフとの事。

中華料理は火力が命です!

   


オレンジ(黄)はチベットカモシカがモチーフで名前は インイン。

オブ・ジョイ・トイではありません。

チベットのカモシカって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

   


そして最後に、ツバメがモチーフの緑の名前は ニイニイ!

ツバメも中国では縁起物なのだとか。

北京ダック惜しくも落選!

ツバメの巣ではなくツバメそのもののようですネ!。

熊の手はやはりパンダとだぶるのでだめだったんでしょう・・・・・。

   


さて、これらのキャラの名前をつなげると

ベイ ジン ホアン イン ニイ 〜 北京 歓迎 ニイ(あなた) となり

北京はあなたを歓迎します。 という意味になるのだそうです。

しつこいようですが、レインボーマンにするため、2つ加えるとしたら・・・・・

茶壺(急須)を頭にのっけた、烏龍茶モチーフの 熱熱 と、

右手にお箸、左手に散蓮華を持っている、小籠包モチーフの 烈烈 でお願いしたいと思います。

北京熱烈歓迎ニイ!

                       2007年5月28日



    
    言及せずにはおれない ベイベイ(水色) のセクシーなくちびる!
    上海 南京路 オフィシャルキャラクターショップのショーウインドウにて

               キャラクターたち(FuWa)のアニメーション click to go




#085  ストリート・ワイズ 〜  ad


「どうしよう?」

けっこう悩みました。

でも、どうしてもこの感動に似た気持ちをお伝えしたいので

リスクは承知で書き進めたいと思います。


それは先日の事。 場所は出張で訪れた中国は上海の南京路。

私は、この上海を代表する一番にぎやかで、華やかな通りを

頼まれた買い物を済ませるため一人歩いておりました。

天気もよく、土曜日の午後とあって、通りには買い物客や観光客が溢れ、

大変な賑わいをみせていました。



     


そんな雑踏を分け進み、目的のお店に向かう途中、

すれ違いざま、見知らぬ男性の口から発せられた言葉が、軽いドップラー効果を伴い私の耳に届きました。

「シケベディーヴィーディーヤシイ シケベディーヴィーディーヤシイ」


広告や宣伝の「費用対効果」 もしくは 「コストパフォーマンス」 を考えた時、

消費者になり得る人を想定し、それらの人にピンポイントで、的確かつ正確な情報を、

キャッチーな表現で提供することが肝心である事は、素人の私でもなんとなく分かります。

そのような見地から上記の男性のすれ違いざまの一瞬の宣伝活動を評価した場合

「お見事!!」 と、言わねばなりませんでしょう。


まず評価すべきは洗練されたコピー(広告文)であります。

虚飾を一切廃した簡潔な構成でありながら、己が扱う商品の特性が

「どんな」 「何が」 「どのように」 の順で見事に表現されています。

「シケベな」 「ディーヴィーディが」 「ヤシイ!」

わずか3語の羅列から想起される膨大なイメージは、このコピーの情報量の豊富さを裏付けています。

余談ながら「DVD」という単語だけしっかりと英語的な発音がなされ、

特に [V] は 「ビー」 ではなく、軽く下唇を噛んで発音する 「ヴィー」 であることがハッキリと確認出来ました。

かなりの研鑚を積んでいると推測されます。

求めてお金を支払った後の 「Thank you 」 の [th] はきっと、軽く舌を噛んで発音してくれる事と思われます。


次に特筆すべきは彼の「眼」であります。

日本-中国を往復する飛行機の中、隣に座るオッサンには 

「ギュウニク? トリニク?」 と尋ねる中国人スチュワーデスに、次の瞬間

「ニョウルウ? チイルウ?」 と、迷わず中国語を使わせてしまうこのシノワズリーな私を、

そして以前、台湾の観光地で、中国皇帝の格好をして記念絵皿の撮影をした際、

その様子を眺めていた台湾人ギャリーから喝采を浴びたこの私を、

よくぞ見破ったり! 「フッフッフッ バレちゃしょうがねえ!」

更に、すれ違いざまという刹那に非母国語で構成されたコピーを2回確実に発音するという反射神経。

ある意味コミュニケーションの達人といえるかもしれません。

辛口の張本さんでも 「アッパレ!」 と叫ばずにはおれない事でしょう。


さて、ここまでお読みになった方は 「それで君はどうしたのか?」 

という当然の疑問を持たれておられる事と存じます。

事実はどうにせよ、どのようにお答えする事が、リスクを回避するために適切であるのか?

「そんな買うはずないじゃないですかー モー やだナー」 という断固否定か? 

「ああ買いましたとも たくさん買いましたとも 親戚の分まで買いましたとも」 という開き直り肯定か? 

「その辺はホラ ご想像におまかせするって事で・・・・」 というお茶濁しか?

・・・・・・・・・・・・・・・

この際ボブ・ディラン先生の曲をお答え代わりにさせていただくって事で・・・・・・・・。

Blowin’ in the Wind  BY Bob Dylan & Joan Baez

                             2007年5月22日




        
          南京路で見かけた看板の「心の声」を吹き出しで表現してみました。






#084  ストーンズ 〜  The Wise


「どっちなんだろう?」

そんな長年の疑問が、辞書を調べたら1分で解明しました。

「どっちもなんだ!!」


A Rolling Stone Gathers No Moss 

〜転石苔むさず〜  「転がる石にコケは生えない」 ということわざ。

広辞苑によれば、本来の意味は 

〔 何事も腰を落ち着けてあたらないと、身につくものがなく大成できない。 〕 というもの。

でも、〔 アメリカでは 「活動する人は常に新鮮である」 の意でも用いる。 〕 との事。

「苔むす事」 の捉え方の違いで、いい意味にも 悪い意味にもなる ということでしょうか。

疑問は解明しましたが、どっちの意味で使われているのかを判断するのは難しいところです。


さて、【石】といえば rock 、 Rockといえばローリング・ストーンズ!

でも、長くなるので今回は狛犬さんの事!!


東京に出張の際、浅草に宿をとる事が多いので、

時間があれば「浅草寺」さんへお参りをさせていただくのですが、

その浅草寺さんの本堂向かって右に 浅草神社〜三社様 があります。

そちらも何度もお参りさせていただいておるのですが、

その度に気になっていたのが下の写真の狛犬さんです。

どっしりとした体躯、がっしりと太い四肢、独特なご面相。

初めの頃はなんだか ぼってりした感じ がして、その良さが分からなかったのですが、

何度かお参りするうちに、とても魅力的なお姿である事に気付きました。

一見大雑把な造りに感じたのですが、それは私の目が悪かっただけで、

骨格や肉付きはあくまでもダイナミックに。 

タテガミや、シッポの毛の表現はどこまでもしなやかに軽やかに。 

そして、その好対照が、鈍く銀色に輝く肌とあいまって独特な存在感を発しています。


この一対の狛犬さん、調べると年齢は170歳以上。

でも印象としては千年くらい生きている感じがします。

前髪の感じと、むっくりした口元の印象からでしょうか、私の頭の中では

「ガオー」 ではなく 何か人間の言葉を喋っている声が聞こえます。

個人的に、口を開けられている「阿形〜あぎょう」をミックさん

口を閉じられている「吽形〜うんぎょう」をキースさんと呼ばせていただいております。

やっぱりロックミュージシャンは長髪が基本ですね!

                                  2007年5月13日





        




        






                 ♪Honky Tonk Woman   by The Rolling Stones with Sheryl Crow






#083  ぼくとじんべとだいどこで 〜  on a Sunday afternoon


今日は大型連休の最終日。

嫁さんと子供たちは日帰りで嫁さんの実家へ。

小雨降る昼下がり、私は一人、店番をしながらコレを書いてます。


午前中はちょっと贅沢して朝風呂を楽しみました。

窓から差し込む柔らかな陽の光で 「中国茶読本」 をながめながらしばし半身浴。

この本は文章もさることながら、写真が好くて、ながめているとお茶をしたくなる困った一冊です。



        



風呂から上がり、うだうだしているとお昼になり、NHK FM 「日曜喫茶室」の録音をセットしてから

歩いて3分の近所の蕎麦屋さんへ。 もりそばを頂き、又3分かけて帰宅。

部屋のドアを開けると昼寝中の猫のじんべえが、上半身だけ少し起して

「海苔くれないんだったら、ちょっかい出さないでね!」

と、生意気な一瞥を投げてよこしました。

「ネコはノリのみに生きるにあらず」 と、心の中でじんべえに訴え、私は中国茶を楽しむことに。


お湯を沸かして、茶盤を用意し、一人分の茶葉を茶壺に入れて準備万端!

キャロル・キング  タペストリー〜つづれおり の ブルー・ノート カバー盤をラジカセにセットしてスイッチオン。



           



何かお茶請は・・・と、ゴソゴソ物色すると、食べかけのガーナミルクが・・・・。

それをひとかけほおばり、お茶をすすると、

銀紙のシャカシャカ音に反応して、じんべえが台所へやってきました。

「別に呼んでませんよ」 と目で伝えると、「にゃっ」 と短く鳴いて窓際へ。

三煎ほど楽しみ、出がらしをガラスのコップに移し、水出しに。

事務所に移り、それをちびりちびり・・・・・・・

私は一人、店番をしながらコレを書いてます。

日曜の午後、なんだかとてもいい感じです。

                                 2007年5月6日





        




               ♪Groovin’ click to go


               ♪僕とフリオと校庭で click to go






#082  うらら 〜  Was a sunny day


上の二人の子供たちが中学生となり、休日でも部活があるので、

最近では家族そろって出掛ける機会も以前より少なくなりました。

又、連休中はお店を開けているので、

格別のレジャーは無しで終わりそうな今年のゴールデンウイークです。


さて、今日は みどりの日。

天気が好く、気持ちのいい日でした。

お昼過ぎ、卓球大会が行われた山寺中学(当社から車で30分ほど)に娘を迎えに行きました。

道すがら遠くに目をやると、芽吹き始めた山々のところどころにヤマザクラが咲いていました。

一方、平地の沿道には満開の桜並木がまぶしいほどに広がり、

その下に自生する雑草たちも花を咲かせ、春の喜びに湧いているようでした。

満開の桜はやがて実を結び、赤く輝く子供たちは全国各地、遠くは香港や台湾まで旅をするのでしょう。


信号で停車すると、開けた窓から一匹のハチが迷い込んできました。

「こんなトコで油売ってる場合じゃないでしょ!」 と追っ払うと、

桜の木の方へ飛んでいきました。

「仕事しないとネ!」



       



家に戻って昼食を済ませると、ギャラリーにお客様がみえられました。

群馬から旅行で山形においでになったとの事。

最近、関東方面の一般のお客様がたくさん当社を訪れて下さるようになり、

とても嬉しく、有難く感じております。



            




お客様が帰られ、部屋に戻ると 猫のじんべえが気持ちよさそうに昼寝をしていました。

ちょっかいを出そうと思いましたが、借りてもしょうがない 彼の手 を撮影するにとどめました。



             




そうこうしてると、ギャラリーに仙台からのお客様がみえられました。

家族旅行で庄内を周られ、帰りがけにお立ち寄りいただいたとの事。

とても嬉しく、有難い事でした。

お客様が帰られた後、庭に出ると、つい先日まで冬枯れのシャラノキが、

たくさんの若葉を広げ、陽の光を浴びていました。




           



植物も動物もちゃんと自然のサイクルで変化していきます。

夕方、抜け毛著しい じんべえ をブラッシングしました。

淋しがりや なのに 干渉を嫌う じんべえは ブラッシングが天敵!

「にゃろめ!」 とねじ伏せて念入りにブラッシング。

最終的には写真のように 「モウッ どうにでもしてちょうだいッ!」 状態に。



      



ブラッシングを終えたじんべえには、ご褒美の海苔をあげました。

「 海苔喰いじんべえ 動画 」  click to go

じんべえが猫で良かったです。 ライオンだったら今頃・・・・


夕飯の食卓には、嫁さんの実家から送られた山菜のおひたしが並びました。

噛みしめると鼻に抜ける春の香り。

「ムフフフ この風味 猫には分かるまい。」

などと安心していたら、山菜の上にまぶしてあった削り節をペロペロされて台無しに・・・・・

「ブッ ブラッシングの仕返しか・・・・・」



       



さて、そんな一日も、ものは考え様!

山形に観光で訪れたつもりになれば、花見をして、ギャラリーを鑑賞して、

地元の生き物とふれあい、季節の食べ物をいただくという、

春満喫! 大変有意義な一日であったわけです。

おまけに地元の子供たちともふれあいました。


                              2007年5月4日



          
             先日、「動かざること・・・と言えば?」
             と、問うたところ、自信を持って
             「食うべからず!」と答えた
             地元の小学生(ヒゲのない方)。





#081  甘露 〜  AMRITA


「戦時中、降り積もる雪が砂糖だったらと何度思った事か・・・」

小さい頃よく母親からそんな話を聞かされました。

ミルキーがママの味 だとすれば、生まれて初めて出会う味覚は

母乳の微かな甘みであり、「甘さへの欲求」 はとても原初的なものなのかも知れません。

不確かな情報ですが、砂糖を多用する日本料理に比べ、そうではない西洋の料理において、

食事の最後に「甘さへの欲求」を満たすものとしてデザートがある・・・・。

というような話を聞いた事があります。

お釈迦様のお誕生を祝う「はなまつり」では、天上天下唯我独尊誕生仏

柄杓で甘茶を自分の年の数だけかけてお祝いしますが、

これはお釈迦様がお生まれになった時、龍が天から飛来して、香湯をそそいで祝福した。 

という故事に基づくものなのだそうです。

この香湯、仏典では「阿密哩多(アムリタ)」、漢訳では「甘露」と呼ばれるもので、

それを「甘茶」としたところにも「甘さ」を特別なものとして捉えている感じがうかがえます。


            



さて、今日は4月の30日。振り替え休日でお休みでしたが、

尾花沢の御寺院様へうかがわせて頂きました。

帰りがけ 「そういえば・・・・・・」 と思い立ち、以前から気になっていた

村山市の甘味処へ寄ってみることにしました。

木と鉄が面白いコントラストを見せる外観に惹かれ中へ入ると、

真っ先に古い欅の箱階段が目に入りました。

きょろきょろしているとご主人が話しかけて下さり、

美味しい中国茶を頂きながら建物の話をいろいろ伺いました。

ぽかぽかした春の昼下がり、

最上川べりに建つ静かな空間で、いい時間を過ごさせて頂きました。

そして、お土産に求めたのが下の写真の豆菓子。

早速夕飯の後、家族で中国茶(鉄観音)と共に(ベストマッチ!)楽しみました。


お店の名前は 「 甘露 wa.sabi 」。 

豆菓子の名前は 「 甘露豆 」

今日は私の44回目の誕生日。

甘露をいただく事が出来て好い日となりました!


年々、節分に食べる豆の数と、甘茶を柄杓ですくう回数が増えるので、

ここ数年、一部10進法を採用させていただいております。

                                2007年4月30日




          






      甘露 wa.sabi  phone 0237-55-8271






#080  みんなちがって、みんないい 〜  differences


食卓に一枚のA4のプリントがありました。

何気なく手にすると、そこには一篇の詩が記されていました。



     みんなちがって、みんないい

          
わたしと小鳥と鈴と

                       金子みすゞ


       わたしが両手をひろげても、

       お空はちっとも飛べないが、

       飛べる小鳥はわたしのように、

       地面をはやくは走れない。


       わたしがからだをゆすっても、

       きれいな音はでないけど、

       あの鳴る鈴はわたしのように

       たくさんの唄は知らないよ。


       鈴と、小鳥と、それからわたし、

       みんなちがって、みんないい。

       みんなちがって、みんないい。





「これどうしたの?」 と小学5年生に進級した次男に尋ねると、

新しい担任の先生からいただいたとの事。


この詩の作者である 金子みすゞさん の事を調べると、

〜大正末期から昭和初期にかけて活躍した日本の童謡詩人である。〜 とあり、

その 新しい感じ に驚かされると同時に、発表された時の時代背景や人々の考え方などを

想像すると、当時の受け止められ方はどんなだったのだろう?と、興味は尽きません。


色々な事を判断する上で、比較する という行為はとても重要だと思います。

又、意識しなくてもつい、比較してしまう自分がいる事も否めません。

この詩は決して、比較する事を否定したものではないと思います。

自分 と 小鳥という生き物、自分 と 鈴という物 を、あえて比較して、そのいいところを挙げる事で

この詩のハッピーな感じが生まれているのでしょう。

要は比較する事の是非ではなく、違いをどう捉えるかという事ではないかと思います。


みんなちがって、みんないい

みんなちがって、みんないい



心の中でこのおまじないを唱えると、私の好物がもっともっと増えるかもしれません。

                                     2007年4月28日






       
   兄弟もちがって、みんないい! 久しぶりにご対面のドラ&じんべえ





           朗読を聴くことが出来ます。 click to go

                毛玉ブラザーズ click to go






#079  熱水瓶 〜  Chinoiserie


以前から求めたいと思っていました。

思い切ってその旨を伝えると 「探しに行きましょう!」 と言ってくれました。

「うちのは、私が結婚した時から使っているので、かれこれ28年くらい経ちます。」

と言って見せてくれたのが下の写真の逸品です。




         



青地に金魚が描かれたすばらしいデザイン!

これは、中国でよく見かける魔法瓶で、外側がアルマイト、内側はガラスで、

木の栓が付いたシンプルな作りになっています。


持ち主は当社中国工房の責任者。

背が高く、堂々としているという事もあるのですが、

28年の間、家族と共に歴史を刻んできた誇りのようなものさえ感じる風格があります。

「こんなイイのがあるかナー」

「とにかく探してみましょう!」

と、いうわけで、何でもそろう市場へ案内してもらいました。

その市場で出会ったのが #074の愉快な仲間たち なのですが、

簡単に見つかるかと思いきや、お店に並んでいるのは形や大きさに違いはないものの、

ステンレスやプラスティック製のものばかり。

「ソノテノモノハ モウ ツクラレテ イナインダヨ」 との事。

次から次へと登場する 愉快な仲間たち の記念撮影に追われながら、

3ヶ所の市場を探し回りましたが結局見つからず、あきらめて帰ろうと決めた瞬間

りましたッ!!!」

薄暗い通路に面した雑貨屋さんの棚の一番上に、何の主張もせずひっそりと、ホコリをかぶって

あくまでも控えめにそれはありました。

サア 誰かに先を越されては大変! (10年以上在庫として君臨している感じでしたが・・・・)  

「コ コレ クダサイッ!」 と興奮気味の私を

「ナニ コノヒト ソンナニ アセッテルノ?」 と不思議そうな目で見ながら

「コウイウノハ シンコンサンガ カウンダヨ」 とその店のおばさんが教えてくれました。

値段は18元(約300円)。 いい買い物をしたと、大満足!

純白の肌に極彩色のつがいのオシドリが描かれ、デザイン化された 「幸福」 の赤い文字がGOOD!

上の写真の大先輩のような貫禄はありませんが、清楚な初々しさが感じられます。


探すのをやめた時 見つかることもよくある話で というのはホントの事だと納得しながら、

やっと見つけたお目当ての品は、帰りの飛行機や新幹線で

大変にかさばる荷物となった事は言うまでもありません。

                             2007年4月26日


        




          夢の中へ 探し物はニャンですか?

                        それは海苔です!







#078  青春の光と影 〜  Both sides now


今でもハッキリ覚えていますが、中学2年の夏休み、私は友人から2枚のレコードを借してもらいました。

一枚はハイファイセットの「ハイファイ・ブレンド」 

そしてもう一枚が荒井由実の「コバルト・アワー」というアルバムです。

この2枚には 「卒業写真」 という曲
(・・・という曲 というのはあまりにも有名なこの曲に失礼な言い方ですが・・・)

が入っていて、私の中での 「オリジナルとカバーの聞き比べ
初体験」 がこの中2の夏休みでした。

初体験(聞き比べのです。)を済ませた私は、2枚のアルバムの中で展開される、男女間の様々なドラマに

自分を投影し、夏休みが終わる頃には、どこに出しても恥ずかしい立派な妄想中学生に成長していました。

雨のステイションで誰がオレの事ば待ってかもすんね・・・・・・・」 〜誰か僕の事を待ってるかもしれない

少しだけ片思いさっだらどうすっべ・・・・」 〜片思いされたらどうしよう

冷たい雨で風邪ひぐどわれがら早ぐ帰えて来いは!」 〜風邪ひくと悪いから早く帰ってきなよ!

様々な妄想が頭の中を駆け巡り、私の「中学生日記」は綴られていきました。

極めつけはやはり 「卒業写真」

♪そつぎょおーしゃしーんの あの人は やさしい目をしてるー♪ 

このフレーズの 「あの人」 にいつの間にかなってしまっていた私は、

中3の卒業写真撮影の際 「やさしい目」 で写らなければならないという使命感から

「やさしい目」 をしようと努力しました。

♪青春時代はバカなんて 後からしみじみ思うもの♪

今、卒業アルバムに載せられたその写真を見ると、そこには 

学生服を着た坊主頭、ニキビ面の少年が薄ら笑いを浮かべて立っています。

青春とはかくも残酷なもの。 それにつけても恐るべしユーミン!

「お父さんは中学の時 けっこうモテモテだった!」と、子供たちに話したら 「お父さんヤルー!」と言われた。

と、日記には書いておこう!  


気がつけば昭和が終わって20年も経つのですね・・・・・・・・。 

                                          2007年4月19日



           




《先日やま竹さんで行われたライブ♪の映像です。》
        (画像と音がズレていますがご容赦下さい。)

卒業写真  やま竹ご主人と高校一年の娘さん親子の共演!

卒業写真  やま竹ご主人のバンドの演奏。



《青春の光と影》


Both sides now
  合唱(カナダの学校?)



竹蔵蕎麦 やま竹 ホームページ click to go





#077  和のこころ 〜  Can We Still Be Friends


わん と にゃん は仲良くできるのか?

そんな疑問を解明すべく、小学校低学年の私は、

飼い犬のロングと、飼い猫のロンで何度か実験を試みました。

先ず猫のロンをタオルケットでぐるぐる巻きにして両手にかかえ庭に出ます。

まあ、そうした時点で [ 仲良く出来るはずがない ] 

という仮説を立てているわけで、大変に罪深いのですが、

裏庭にあるロングの犬小屋まで移動し、ロンにロングを紹介すると・・・・・

見たことないようなスピードで・・・・・・・・。

後に国語の授業で 『脱兎の如く』 という表現を習った時、

「つまりそれは、あの時のロンのような状態をさすのだな」 

と、実感を伴った学習が出来たのでした。 「ロン ロング ゴメン!」


さて、最近我が家の 東司文庫 に新しく加わった本をご紹介します。

題名は 「しばわんこの和のこころ」


この本に登場する柴犬の事は元々、NHKのアニメを見て知ったのですが、

あろう事か、犬のくせして みけにゃんこ などという友達がいて結構仲良かったりして、

おまけに割烹着を着た 柴が洗った茶碗 を 三毛が拭く という

共同作業に及んだりして、 「犬ほえろよ! 猫なら逃げろ!」 

とキビシクつっこみを入れたくなるところですが、

私の心の中に住んでいる17歳の少女が 「カワイイジャナイノヨッ!」 と

実年齢43歳 ♂ の私に先制攻撃・・・・・・・あえなく退散。

「 犬が茶を点てたっていいじゃないか しばわんこだもの 」 と本を購入。

以来、 東司文庫 で過ごす時は 

「このしばのポーズ チョーカワイクナイ? っていうか みけにゃんこ?」

などと不慣れなデタラメ女子高生語をつぶやきながら、つい長居してしまうのでした。

「いいじゃないか にんげんだものッ!」

                                   2007年4月16日




             

          洋式に 座して楽しむ 和のこころ




        
       和のこころ ⇒ 興味ゼロ じんにゃんこさん

             「いいじゃニャいか洋猫(MIX)ニャもの」 
                でも海苔は大スキッ!




        Can we still be friends by Todd Rundgren




#076  ダーマ&グレッグ 〜  Stinky & Nunzio


運転中やお風呂に入っている時など、ふと、いいアイデアが浮かんだとします。

まだ輪郭がハッキリしないそのアイデアを忘れない様にするために、

いくつかのキーワードでそれを無理やり表現し、メモします。

しかし、後日そのメモを見て 

「自分はこの時一体何を考えていたんだろう・・・・・?」 

そんな経験が結構あります。

まあ、たいしたアイデアでないという証明でもあるわけですが、

先ず、自分で書いた字が汚くて読めない事が一つ。

そして、元々ハッキリした考えではないので、

複数のキーワードからそのボンヤリした内容を復元できない事が一つ。

私は、これを セルフ・コミュニケーション・ブレイク・ダウン 略して SCBD 

簡単に言うと BOKE と呼んでいるのですが、

時として、過去の自分との意思疎通でさえ困難であったりするわけで、

コミュニケーションの難しさと重要性を痛感する次第であります。

映画やテレビの中で繰り広げられるドラマは、

全てこのコミュニケーションにまつわる事が下敷きになっている

と、言ってもいいのではないかと思います。

考え方の違い、感じ方の違い、送り手と受け手の行き違い、

そしてそこに生じる 喜怒哀楽 悲喜こもごも・・・・・・。


さて、最近ちょっとしたマイブームとなっているのが

アメリカのシットコム(TVコメディー ) 「ダーマ&グレッグ」

ずいぶん前にNHKで放映されたものが最近DVDで発売されました。

ヒッピーの両親を持ち、サンスクリット語で 「法」 を意味する 

ダーマ(Dharma) という名を持つヨガ講師の女性と、

お金持ちの家に生まれ、エリート検事であるグレッグという男性が、

互いに一目ぼれして、会ったその日のうちに結婚! 

そして、そこから始まる互いの家族の文化摩擦!!

文章というのもコミュニケーションの一手段ではあるわけですが、百聞は一見にしかず!

とにかく面白いです!!! まだの方はぜひお試しを。

                                         2007年4月12日



         








#075  楽書展 〜  Pleasure


運動不足解消のため、たまに市民プールに出掛けます。

温水プールの3コース分くらいが一般に開放されているのですが、

泳いでいる間、知らず知らずのうちに隣のコースの見知らぬスイマーに

対抗意識を感じ、身の程知らずの挑戦をしている時があります。

たいていの場合、惨敗を喫する(勝手に私がそう思っているだけ)のですが、

部活動でも大会でもなく、自分の意思でお金を払ってプールに来ているのに、

つい競ってしまう自分が情けない限りです。

マスターズにでもエントリーして優勝を狙うような方は、

競う事も含めて楽しまれているのでしょうが、そんな世界に全く無縁な私が

たまたま居合わせた人と競っても、高速道路でカーレースをするようなもので、

小さな自分の卑しい本能を再確認する役にしか立ちません。


競うところから離れて、自分なりの楽しさを見つけるのはなかなか難しい事だと思います。

小学校2年生の子が、初めて剣道の試合に出て負けてしまい、お母さんに抱きついて

号泣している姿などを見ると、人間は勝ちたい生き物なのだ というのが良く分かります。


さて、先週の土曜日に 「楽書展」 におじゃましました。

展示された全ての作品の 「ことば」 や 「筆跡」 「額装」 からは、書かれた方の思いが感じられ、

これを書かれた方はどんな方なのだろう・・・・・と想像が膨らみました。

そして、そこには競争が感じられず、純粋な楽しさが伝わってきました。

競わない と言うよりは 競えない と言った方がシックリくる様な気がします。

それを書かれた方にしか書けない作品だからという事もありますが、

何より、その方がその作品を書かれた時に感じた 「楽しさ」 は

その方にしか分からない唯一無二の事だからなのでしょう。

その 楽しさ の一端を、たくさんの作品からおすそ分けして頂き、豊かな週末になりました。

                                     2007年4月10日



                





                





              







#074  であい展 〜  CAN'T TAKE MY EYES OFF YOU


ワンダフルな出会いにカンペイ!

出張(中国)で出会った素敵な皆さんをご紹介致します。



      

   「君たち その服どこで買ったの? おじさんもそんなの欲しいナ〜」
   100%着こなす自信があります!




            

           「ハロー!」 と元気良くごあいさつ!
           右手に持っているのは拡声器?




          

          顔から下に見覚えがあるのですが・・・・
          当然お顔にも見覚えがあるのですが・・・・ 
          「M78の方ですよね?」




          

             「あれっ! 整形した?」




          
           
           疑ったりしてゴメン! (#015参照)
           お互いに再会を祝福して握手。




          

           テッ テレタ・・・・・ でいいんですよネ?




                     

                ボクシングのスカウトマンならこのハングリーなまなざしに釘付けになる事でしょう。




            
      
         「どっちがかわいい?」    「ンー 左っ!」

         「じゃあ どっちが好き?」  「ンー みっ 右にしようかナ・・・・」

         昨今の大人の塗り絵ブームが気になるところですが、私も一体塗らせてもらいたいです。




           

            この子の散髪をした人に会ってみたいです。




           

           ボールペンによる青いアイシャドーのおかげで
           珍獣としての神秘性が増しています。




           

           この方とお会いした後、しばらく頭の中で
           あのテーマ曲が鳴り止みませんでした。
           「♪そおらに そびえるッ・・・・・・・・・・」   
           「あっ 又鳴り止まないっ!」 




           

          オージーでありながら、なぜかボリショイな佇まいの親子


さて、

        




これらの絵は中国の、とある地方都市の こどもセンター のようなところの掲示板に

貼り出されていた、地元のこどもたちの作品です。

日本のアニメの影響力にはいつも驚かされるばかりです。

DVDやインターネットの普及によりデジタルなコピーが可能になった事も一因でありましょう。

方や、元ネタと寸分違わぬデジタルコピー。

方や、伝達ミスや、うろ覚えの勢いに任せたアナログコピー、というよりパクリ!

時が経てば街角で出会った上記の魅力的な仲間たちも姿を消し、

デジタルで洗練されたものに変わっていくのでしょう。

それを寂しいと感じるのはよそ者のエゴだと分かってはいても、

白目が青い富士額の彼にはずーっと頑張って欲しいナと思うのでした。

                                   2007年4月1日





     

       中国の子供たちによる絵が貼り出された掲示板。
       全体の約8割が日本アニメが題材とされていました。
       日本のアニメは政府が放送を規制しても、
       DVDやインターネットで容易に鑑賞可能との事です。


          ♪Can’t take my eyes off you by Frankie Valli





お知らせ 〜 Bulletin board


このコーナーで度々ご紹介させていただいている陽子先生主宰の 楽書〜らくしょ。

その楽書講座を受講されている皆さんの作品展のお知らせです。


書道展 というと、読めない字があったりして難解な感じがしますが、

楽書は、皆さんがお好きな言葉や歌詞の一節などを

自由な表現で作品にされているので

文字通り、「楽な気分」 で楽しむことが出来ます。


今回は、皆様の日々コレ #009 じんべえの世話人様 の作品も

出展されるとの事で、楽しみにおじゃまさせて頂きたいと思います。















楽書 web site  click to go





#073  醤油 〜  Take a bite!


       



上の写真の料理は、中国工房の責任者の 太太(タイタイ〜中国語で奥さんの意味) の手料理で、

若竹 (筍ではなく文字通り若い竹) の油炒めです。

料理上手な太太のレパートリーの中でも私の一番の好物です。 

出来立ての熱いうちに頂くと、竹の風味と甘み、そしてシャクシャクした歯ごたえがなんとも言えず、

大熊猫が笹をむさぼるが如く、止まらなくなる美味しさです。

日本で筍は煮物などが一般的な料理法だと思うのですが、

油で炒めたこの料理は又違った味わいがあります。 

味付けは醤油と紹興酒そして砂糖と、いたってシンプル!

でも、作り方を聞いたからといって再現できる味でない事は私でも分かります。


さて、太太が丁寧に教えてくれたこの料理の作り方の中で 

「次に醤油を加えて・・・・・」 という時の 「醤油」 はあくまでも中国の 醤油〜ジャンヨ の事で、

私が普段、家で おひたし にかけている 醤油〜しょうゆ とは違うものなわけです。

違うものではあるのですが、基本的な製法や材料に大きな差があるわけではなく

醤油である事に又違いはないわけです。


ところで、私が中国でご馳走になった若竹の油炒めの美味しさは、

食べていただかないとお伝えできない事ですが、

同じように中国の方に日本の刺身の美味しさを、言葉や写真でいくら説明しても、

そのすばらしさを伝えることは出来ないでしょう。 

わかってもらう一番の方法はやはり実際に味わってもらう事だと思います。


最近、上海などの大都市ではたくさんの回転寿司のお店がオープンし繁盛しているようです。

お客さんはほとんどが中国人のようで、美味しそうにマグロの握りなどをほおばっている姿を見ると

寿司の魅力を分かってもらえたのかと嬉しい気分にもなります。(もっとも回転ではありますが・・・・)

私はトライしたことがないので分かりませんが、その寿司につけているのは日本の醤油なのでしょう。

日本にいろんな味の醤油があるように、中国にもいろんな味の醤油があるのでしょうが、

寿司はやっぱり日本の醤油で頂きたいものです。

本当に寿司の美味しさを分かっている中国人であれば、寿司という日本の料理には

日本の醤油が合う事が理解できると思います。

大切なのは、トライして好きになる事。 そうすれば自然に同じだと思っていた醤油が

実は違っている事に気付き、又、その違いを尊重する事が出来るようになるのではないかと思います。

どちらが優秀だ という対決の図式ではなく、「この料理にはこの醤油がベストマッチ!」

そんなスタンスで物事を見ることが出来ればいいナーといつも感じています。


中国出張からの帰りの飛行機の中、「醤油」 を、色々な単語に置き換えて考えてみました。

「美」 「綺麗」 「優」 「微笑」 「柔和」・・・・・・・・


今年の夏は工房の仏工4人と一緒に、京都や奈良の寺院を参拝する予定です。

                                       2007年3月23日



           
            ほほえみが伝染してしまうおだやかなお姿  
               (中国上海博物館にて)






#072  小僧さん 〜  Hello! it's me again


「社会」 とは何か?

分かっているようで明確に答えることが出来ないこの言葉を広辞苑で調べると

〔人間が集まって共同生活を営む際に、人々の関係の総体が一つの輪郭をもって現れる場合の、その集団。〕

〔世の中。 世間。 家庭や学校に対して職業人の社会をいう。〕

〔societyの訳語〕 とあります。

そして、この society という語を英和辞典で調べてみますと、

反対語として individual という単語があげられていました。

つまり、individual〜個人 の反対が 社会 であるということになるのでしょう。


いつの頃から社会には窓が設けられ、個と社会を自由に行き来できるシステムが確立されました。

可愛い子には旅をさせろ とよく言われますが、閉ざされた個の空間から、

一瞬にして社会という異空間へワープすることを可能にした画期的なこの窓の発明。

我々男性とその「可愛い子」が、この窓の存在により、どれだけの恩恵を受けているかは

計り知れないものがあります。 しかし同時に、慌てて挟んでしまうといった惨劇や、

まじめな話を真剣にしているのに 「開いている」 という一点のみで

次の日から 「チャック全開」 などという不本意なあだ名で呼ばれてしまう悲劇が

毎日のように繰り返されているのも事実です。


さて、下の写真ですが、#021に軍曹として登場した彼です。

今回は堂々のスケバン姿を披露しています。

新幹線の切符を北山形駅に買いに行った際、

春の雪の中、竹刀を持って仁王立ちの姿を発見しびっくりしました。

セーラー服のスカートの 「窓」 から勢い良く噴出する液体!

やっくんもこんな風にやってるのか?・・・・・・」

そんな疑問を胸にシャッターを切ると、彼の内なる叫びが聞こえてきました。

「スカートに ひっかけちゃって がっかりダヨ!」

                                2007年3月18日




            







#071  お蔵 〜  generosity


日曜の夕方、下のお知らせの 「蔵をしつらう展」 におじゃましました。

暗くなってからおじゃましたのがラッキーでした。

闇は光の存在を際立たせ、影の存在を教えてくれます。


古い座敷蔵に展示された家具、灯り、うつわ、書は、展示されているというよりは、

自然にそこにあるという感じで、とても落ち着きのある空間を楽しむことが出来ました。

聖書に 「古い酒は古い皮袋に、新しい酒は新しい皮袋に」 という一節がありますが、

古いお蔵に新しい作品が入ることにより、古い皮袋が新しい命を吸収し、若返っていくような

そんな印象を受けました。

歴史を刻んで今に残る100歳を越える蔵は、実は古い皮袋ではなく、

それを決めるのは、対象に向き合う人々の視点にほかならないのかもしれません。


様々な作品を優しく受け入れる 「お蔵」 の包容力に感動しました。

                           2007年3月12日



       





                       







お知らせ 〜 Bulletin board


木のあかり  陶芸 木地・漆芸 木工・家具 ダンス!

家具工房モクの渡邊さん 楽書の陽子先生 陶芸の三春さん など

精力的に活動されておられる作家の皆さんが蔵のギャラリーに集結します。



蔵をしつらう展 〜自然とつながる心地よさ〜 のお知らせです!!



 







蔵をしつらう展ブログはこちらから⇒クリック




#070  ファインディング・ニボ 〜  Mr.President


猫のじんべえが我が家にやってきて半年が経ちました。(生後8ヶ月)

すっかり大きくなり、体重は4.6キロ! 見た目はもうすっかり大人の猫です。

でも、まだまだやんちゃ盛り。毎日ひまに任せて色々なチャレンジを展開しています。


最近開拓した居場所は冷蔵庫の上。

あったかいのと、ちょっかいを出されない事、ちょっと
上から目線になれる事などが

お気に入りの理由ではないかと推測しているのですが、元々猫は木の上で暮らしていた

動物らしく、本能的に垂直方向の移動を好むのだとか。


冷蔵庫の上に置かれたダンボールの中で寝そべるじんべえの姿はさながら「社長さん」。

部屋に入り 「あれっ じんべえ いないなー」 と、気になって探しまわると

冷蔵庫の上からその様子を悠然と眺めていたりして、

「社員の諸君 ご苦労 ご苦労!」 とでも言っているかのよう。

そんな時私には、彼の前足に葉巻がくゆっているのがはっきりと見てとれます。


人の顔を見つめて大きなあくびを一つ!

「君! そろそろニボシの時間じゃニャいのかネ?」

大きくなったのは身体だけではないようです・・・・・・。

                                  2007年3月6日


           

           出勤!                       農協製の社長席



       
      タイトル 「希望」  希望≒ニボシ         じんべいハウス 改め じんべえハウス
             


          にゃんこTHEムービー ⇒ クリック (まだ小さかった頃のじんべえ)




皆様の日々コレ 

#009  桃の節句 〜 
           
       山形市 じんべえの世話人様




           




陽子先生の楽書教室にお世話になって半年ほどが経ちました。

月一回のゆるいペースでやっているので、めざましい上達は望めないのですが、

毎回とても楽しく、あっという間の2時間です!


先生のお手本なしでは、何も書き出せなかったのですが、

最近お手本を少しアレンジしたりして、

少しは自分らしさも表現できるようになったような気がしています。

(ほめ上手の陽子先生がその気にさせてくれる・・・)


今回の先生の2つのお手本を合体させて、

桃の節句の書が出来ました。

我ながらちょっと、はじめて満足のゆく作品で、

娘のお雛さまと一緒に飾りたいなあと思いました。

毎年ぎりぎり(それも旧暦)に飾るお雛さまですが、

今年はお雛さまと書を一緒に飾りたい一心で、例年より早めに飾りました。

するとなんとも予想以上にいい感じなのです!
(自画自賛しすぎでスミマセン)


陽子先生の楽書教室のおかげで、以前より

日常の中に季節の移り変わりを感じたり、

小さな喜びを味わうことが出来るようになりました。

陽子先生これからも末永くヨロシクご指導お願いします!


                        2007年3月2日



    




             
                       
             じんべえの世話人様 
             
             この度はご投稿頂き誠に有難うございます。
             ずいぶん早くお雛さまが飾られたので不思議に感じておりましたが
             そのような理由によるものだったのですね!
             おそるべし楽書効果!!
             陽子先生 端午の節句もひとつヨロシクお願い致します。

             お礼のしるしにこちらをどうぞ!!⇒ 
ファイトだPちゃん!

                                       じんべえの後見人




#069  「であい展」 〜  Bake me a cake!


#64でご紹介させていただいた、「であい展」におじゃましました。

会場のレストラン トリトン・ブルーさんのエントランスでお出迎えしてくれたのが

下の写真の作品! 

一枚の耳付の板に直接描かれたお二人(陽子先生&多田さん)の力作!

マザーグースを題材に、ガサガサした木肌に柔らかな明るい色彩で

楽しい絵と文字がちりばめられています。

時計になっているのですが、こんな時計が部屋にあったら

きっと豊かな時を刻んでくれる事でしょう。

シマパンのおっさんがテキトウな時を告げそうな気もしますが・・・)

とにかくお二人のみごとな融合振りに感服いたしました。

更なるステージへの飛躍をお祈り申し上げます。

                     2007年3月1日



           
 
                            ハンプティー ダンプティーのおゆうぎ
   

      
      
pat-a-cake 手遊び   
        ♪
pat-a-cake  この子の両親のおじさんおばさんって感じでしょうか?
     
     

      
   
   Bのマークはブラウニーの’B’ トリトン・ブルー特製!
                チョコ好き全員集合!! 


                                Triton Blue restaurant & resort





#068  月の山 〜  moon tune


小学校の低学年の頃、図書室での自習の時などよく、

「どれが一番好き?」 という遊び(自習!)をしました。

4〜5人の男子が一冊の図鑑を囲み、ページがめくられる度に、

自分のお気に入りを指差すという単純なものでしたが、

瞬時にお気に入りを見つけ出し、相手に取られないようにしなければならないので

結構白熱したのを覚えています。

例えば、動物図鑑の時などは・・・・・

「セーノッ!」 

「あっ! オレ バーバリーシープ!」

「オッと とられた じゃオレは ビッグホーン!」

「しょうがない じゃオレ アメリカバイソン でいいわ」

と、自分のものになるわけでもないのに

人気の高いアイテムをいち早く指差した者はなぜか得意げでした。


ところで、名前の通り、山に囲まれた山形県!

(調べた事はありませんが、山形県の小、中、高 の校歌における

山の名前の含有率はかなり高いのではないかと推測されます。

ちなみに私が卒業した中学の校歌は歌いだしから ♪ざおーおーさーあーんー♪ です。)


数えきれないくらいある山の中で、顔の形をした山形県の地図を前にして

「どの山が一番好き?」 と、問われたら、

私は迷わず 「月山〜がっさん」 を指差します。

「理由は?」 と問われれば、

すかさず 「形が好きだから!」 と答えます。

エー 「
ォー ァーット?  だったら 何なのョ?」 と、いうご質問。 

ごもっともでございます。

でも、日々コレはそういうコーナーなんです。

エー気を取り直しまして・・・・・・。

思えば、この 「おやま」 を初めて意識したのはいつの事だったでしょうか?

『どれが一番好き?遊び』 をしていた小学校低学年の頃だったかもしれません。

春先の天気の良い午前中、学校の3階の水飲み場の窓から、

遠くの空にふんわり浮かんでいる白い大きな山を見つけ、

「おお キレイ!」 と感動したのをなんとなく覚えています。


さて、内陸である山形市から日本海側の鶴岡市へ行くには、

国道112号を通ります。 この112号は通称 「月山道」と呼ばれ、

山形市など内陸の営業マンにとっては、

スタッドレスタイヤ履き替え時期の指標のような道路で、秋も深まると

「月山道なんたっけや?」 〜 月山道どうだった?

「明日あだりチェッとヤバイがもすんネば!」 〜 明日あたりチョッとヤバイかもしれないね!

てな会話が帰宅前の営業所内で繰り広げられます。(と、思われます。)


下の写真は今日、月山越えをして羽黒町へ行く途中、山形市側から撮影したものですが、

春のような陽気の中(例年山形に於いて二月後半は十分真冬です。)月の山は、

自分が小学生だった頃と変わらず、

どこまでも白いなめらかな肢体を青いかすみの上に横たえていました。

「ン〜 チェッと セクシー!」


「なぜすきなのか?」 と問われれば、

「形が好きだから」 そうすかさず答えます。

                                     2007年2月28日





  


                                       
                                Moon Tune  By  Bob James  David Sanborn



#067  リーン・オン・ミー 〜  call on me brother!


全くの私見ですが、アメリカのポップミュージックの中には

「僕を(わたしを)頼りにしてね!」 といった内容を持つ曲が非常に多いように感じます。

「全部聴いたのか?」 と問われれば、

もちろんそうではないので、私見というよりは独断なのですが、

代表的なところで言えば、


  「君が落ち込んで、慰めが必要な時、目を閉じて僕の事を想ってごらん

  僕は直ぐに君のそばに行くよ 僕は君の友達だから」
 


と歌われるキャロル・キングの「君の友達」


  「君の目に涙が溢れた時は、僕が乾かしてあげよう

  逆巻く水の上に架かる橋の様に僕はこの身を投げ出そう」



というサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」

(もっとも、この歌詞はアルバム制作中に俳優業にうつつを抜かし待ちぼうけを食らわした

アート・ガーファンクルに対して最大級の皮肉を込めたポール・サイモンの

ラブ・コール&ぼやき のように聞こえてしまうのですが・・・・)



そして、極めつけは、ビル・ウィザースの「リーン・オン・ミー」

直訳すると 「僕にもたれかかっていいよ」 てな感じでしょうか?

冒頭はこんな風に始まります。


  「僕らは誰でも人生の中で痛みや、悲しみに出会う

  でも、もし知恵があるのなら分かっているはず、

  いつも明日がやってくるって事を

  リーン・オン・ミー 〜 僕にもたれかかって、

  君が強さをなくした時 僕は君の友達になって君を助けよう

  僕も、もたれかかる誰かを必要とする時が来るんだからね!

  ・・・・・・助けが必要な時は僕を呼んでくれればいいのさ!

  僕らはみんなもたれかかる誰かが必要なんだ!」



ここまで明確に「頼ってね!」と宣言している曲は果たして日本にあるのでしょうか?

唯一私が思い当たるのはクレージーキャッツの「だまって俺について来い」くらいでしょうか。

意味は全く違うのですが・・・・・・・・。


さて、まだまだ「頼りにしてね!」という曲はたくさんありますが、

なぜアメリカではこのような曲がヒットするのかと考えると(大きなお世話ですが・・・)

移民の国だから・・・・・

一神教的な宗教観が強いから・・・・・

ベトナム戦争や湾岸戦争があったから・・・・・

など色々と理由は想像できます。

そして何よりアメリカ人が 『自立していること』 や 『依存しないこと』 を

とても好ましく感じる価値観を持っているからなのではないかと思います。


さて、アジア圏で絶大な知名度と人気を誇る「ドラえもん」ですが、

アメリカではさっぱりなのだそうです。

大ブレークしたポケモンなどと比べ、困難に立ち向かわず

いつもドラえもんに救済を求める少年の姿がとても情けなく、

受け入れがたい存在なのだとか。

アメリカでは 「依存しないで頑張ろう」 という前提があってはじめて 

「でも、みんなそんなに強くないよね」 というリーン・オン・ミーのような曲が

成立し、ヒットするのかもしれません。


以下、最近のマイ・ブームである
Youtubeの映像をご紹介しますが、

アメリカ人がいかにこの曲(lean on me)が好きなのかが、これらの映像を見てよく分かりました。

一日本人としては「こんな事言って責任とれんの?」みたいな気分になりますが、

アメリカ人がこの曲を好む感じはとても好感が持てて、感動的でもあります。


Lean on me エアロスミスのボーカル S.タイラー。 聖歌隊とともに教会にて。

Lean on me ファミリー向けテレビドラマ?

Lean on me だんだん増えていく感じがイイです!

Lean on me 「♪プリーズ」 の時のポーズが好きです!

Lean on me ロサンジェルスの放課後。

Lean on me おゆうぎ? ハイタッチしてアゲアゲ。微笑ましい!

Lean on me いかにもやりそうなブラザーたち! でもグダグダ! でも楽しそう!

Lean on me アフリカの子供たち。心が洗われます。

Lean on me お泊り会?

Lean on me 6年生の学期末。クラスメートと。

Lean on me 高校生。後半の盛り上がりがいいです。

Lean on me 外はハリケーンで酒を飲むしかなく、ベロベロで盛り上がる皆さん。日本なら拓郎か・・・

Lean on me 素直な歌い方がいいです。

Lean on me 日曜のテレビミサ?

Lean on me 女性3人によるアカペラ。

Lean on me 日本でもありがちな感じ!

Lean on me シンガポール。 卒業の謝恩会、先生から卒業生にはなむけの歌

Lean on me ゴスペル。

Lean on me On the street corner.

Lean on me オリジナル。 ビル・ウィザース。 

                                             2007年2月17日


        

          上海のスーパーに並ぶドラえもんのDVD






#066  cosmos 〜  Jupiter


    夏の草はらに 銀河は高く歌う 

    胸に手を当てて 風を感じる

    君のぬくもりは 宇宙が燃えていた 

    遠い時代のなごり 君は宇宙

    百億年の歴史が 今も体に流れてる

    光の声が空高く聞こえる 

    君も星だよ みんな みんな

    
    時の流れに 生まれたものなら 

    一人残らず 幸せになれるはず

    みんな命を燃やすんだ 星のように蛍のように

    光の声が空高く聞こえる 

    僕らは一つ みんな みんな

    光の声が空高く聞こえる 

    君も星だよ みんな みんな



これは、現在中2の長男が小学校の卒業式で

「卒業生のうた」として合唱した 「 COSMOS 」 という曲の歌詞です。

小中学校の合唱曲としてはかなり人気の高い曲らしいのですが、

6年間の合唱を記録した卒業記念CDに収められているこの曲を聞くたび、

卒業式の感動がよみがえってきます。

特に 〜みんな命を燃やすんだ 星のように蛍のように〜 のくだりでは

なぜか毎回目頭が熱くなります。

そしていつも、もう一つの曲の事を思い出します。

それは、
Jupiter  by Ayaka Hirahara

    
Every day I listen to my heart

    ひとりじゃない

    深い胸の奥で つながってる

    果てしない時を越えて 輝く星が

    出会えた奇跡 教えてくれる

    Every day I listen to my heart

    ひとりじゃない

    この宇宙の御胸に 抱かれて



なぜこの曲を思い出すのかと自問してみると、

単純に、どちらも「宇宙」や「天体」がモチーフとされているからだと思うのですが、

特に、「COSMOS」 の後半で歌われる 
「僕らは一つ みんな みんな」 という歌詞と

「Jupiter」 の冒頭 「深い胸の奥で つながってる」 という箇所が結びついたから

なのかもしれません。 この2曲の歌詞は色々な解釈の仕方があると思いますし、

私の中での感じ方や理解も又変化していく事と思われます。

そんな意味で、子供たちが歌った「COSMOS」は

「卒業」 という節目に卒業生とその保護者に投げかけられた

大きな宿題でありメッセージであったのだ、と最近感じています。


   COSMOS by ひまわり学年

                         2007年2月12日




      






#065  年の瀬の上海 〜  Home sweet home


『金豚』 とかいうと、 「おっ! 黒豚の上をいく最高級の・・・・・・」 と、

つい お肉 の方を想像してしまいますが、

何でも今年は 60年に一度の「金豚年」とかで、

春節(旧正月〜今年は2月18日が旧の1月1日)を前にして、

中国や韓国では大騒ぎのようです。


日本で干支の 『亥』 は 「イノシシ」 のことですが、

中国では「富と繁栄」の象徴として好まれる「豚」をさすのだそうです。

つまり今年は豚年!

一方、五行でいうと今年は 『金』 の年だとか・・・。

福福しい豚と、神々しい金が60年ぶりに出会う大変縁起の良い年で、

このラッキーな年に結婚や出産を計画しているカップルも多いとの事です。


さて、先日出張で訪れた上海も、そんなおめでたいムードでいっぱい!

普段から日本の街並みよりは 『赤色』 が目立つ中国ですが、

いつにも増して赤色が町中に溢れ、とても華やいでいました。

お宝や爆竹を模した正月飾りに混じって、

豚のディスプレーや貯金箱などが沢山店頭に並び、

それがとぶように売れているのには驚きました。


ところで、上海人は上海語を喋ります。

それは普通話 と呼ばれる、いわゆる標準語とはかなり異なる言語のようです。

(若い人たちは上海人同士でも標準語で会話することが多いようですが・・・)

又、上海の街で耳にする、同じ様に聞こえる中国語は実はとても多様で、

勇気を出して尋ねてみると、四川や雲南、内蒙古などから上海に

働きに出てきている人たちだったりします。(つまり方言)

アメリカの事を 人種のるつぼ〜melting pot  と形容しますが、

広大な中国大陸の各地から色々な人々が集う上海も、

民族のるつぼなのかもしれません。

そして、春節のお休みは故郷を遠く離れて暮らす人々にとって

この上なく楽しみな特別の存在なのでしょう。


大都市上海で一生懸命働いて、一年ぶりに故郷へ帰る。

金豚の置物をみやげに、家族や友人のいる故郷へ帰る。

満員列車に40時間ゆられて故郷へ帰る・・・・・・。


年の瀬の上海がいつもより華やいで見えたのは、

春節のディスプレーのせいだけでなく、

「もうすぐふるさとの家族に会える!」 そんな期待を抱いた人たちの

楽しい気分が伝わってきたからなのかもしれません。  恭喜恭喜!

                                 2007年2月7日


        







#064  ケミストリー 〜  Boy meets Girl


このページに度々ご登場いただいている 〈 楽書〜らくしょ 〉 の陽子先生と、

〈 #061年賀状 〉 の作者でイラストレーターの多田さんが

『 であい展 』 と題された二人展を開催される事となり、案内状をいただきました。 

そのカード(下記)を一目見て納得!

多田さんからいただいた年賀状の中の

スケッチブックに描かれている男女はこの二人だったんですね!


期間は 2007年2月14日(水) 〜 3月18日(日) 〈月曜は定休日〉 

場所は山形市白山の
 Triton Blue restaurant & resort


リラックス出来る空間で、美味しい食事と時間をサービスしてくださるトリトンブルーさん、

変幻自在 千変万化 陽子先生 楽書の世界、

そして、独自の世界観が繰り広げられる多田さんのイラスト、

その三者がどんな出会いをするのか・・・・・今からとても楽しみです。

                                    2007年2月3日





       





      




            トリトンブルー ホームページ

        楽書〜心やすらぐ書の空間 ホームページ





#063  新春アレサまつり 〜  Just a little bit


時として人は 「思いっきり羽目をはずしてみたいっ!」 そんな衝動に駆られるものです。

しかし、日常の中で本当に 「思いっきり」を、やってしまうと色々問題が生じてしまうので、

昔、頭のいい人が

「毎年○月○日は神様への感謝を込めてお互いに水をぶっかけ合いなさいっ!」 とか

「出来るだけ多くの人にトマトをぶつけ、神の恵みを讃えるのです!」 などの大義名分を示し、

思う存分はじける機会を設け、人々のガス抜きを図ったのだとか・・・・

敬愛するみうらじゅん先生の名著「とんまつりJAPAN」には

そんな日本各地の奇祭が沢山紹介されています。


さて、唐突ですがソウルミュージック界の女王といえばアレサ・フランクリン

皆様 「何ゆえ?」 と、お思いでしょう。 が、とりあえず、

ここに第一回 新春アレサまつりの開会を高らかに宣言致しますッ!

     
♪パラッパ〜 パラッパー パラッパ〜 パラッパー・・・・・・・・・ (ファンファーレ)


  ♪
RESPECT  さて、いきなりクイーンの登場です! このスピード感スゴイです。 コーラスのお姉さんたちもイカシテます。

  ♪RESPECT  洗濯物をバックに従え、仲良し二人組みのパフォーマンス。間奏のサキソフォンが泣かせます。

  ♪RESPECT   楽しいキャンパスライフ!

  ♪
RESPECT  これぞ祭り! ある意味とてもソウルフルなお二人です。

  ♪RESPECT  姪っ子魂の叫び! 「歌よりバナナ!」

  ♪RESPECT  楽しいハイスクールライフ! 先生方のノリが素敵です。

  ♪RESPECT  子供たちのコーラス隊。 圧巻!! 久々に鳥肌が立ってしまいました。

  ♪RESPECT
   羽目をはずしてもシートベルトははずしません。たとえ後部座席であろうとも。

  ♪RESPECT  ジェシカちゃん10歳!アメリカにはこんな小学生が沢山いるのでしょうか?

  ♪RESPECT   こちらのボクとは友達になれそうな気がします。

  ♪RESPECT  結婚パーティー。 親戚一同アレサでハッスル!

  ♪RESPECT  赤ちゃんのシャウトがナイス!

  ♪RESPECT
   アメリカンワッキー?

  ♪RESPECT   楽しかったカラオケの思い出。

  ♪RESPECT
   最後はやはりご本家にご登場いただきます。

  ♪ENCORE     辛抱たまらず・・・・  ♪フリーダ〜ム♪

  ♪
ENCORE    フィナーレ ゴスペル 「明日に架ける橋」


この 「リスペクト」〜敬意 という曲は女性が歌うと、旦那か彼氏に、

男性が歌うと、奥さんか彼女に対して 「ないがしろにしないでよ!」 という

メッセージになるわけですが、YouTubeで検索すると限りなく出てくる
「R・E・S・P・E・C・T」

映像からはアレサ・フランクリンに対する深い敬愛の念が感じられます。

大人も子供も一緒に歌って踊れるこんな曲が存在することがうらやましい限りです・・・

・・・・ナーんて『お祭り』で能書きたれても仕方ありません。

踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら・・・・・・・・・

「エーそれじゃアレサじゃないんですけど Bの8631 トレイン トレインでお願いします!」

                                         2007年2月2日




      
             
ARETHA   live at fillmore west






#062  リスペクト? 〜  MyTube!


先日の出張中、私の頭の中では例の アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士 がエンドレスで流れておりました。

この曲は韓国の DJ DOC というグループの曲をカバーしたものらしく、

原曲と聴き比べるとなかなか興味深いものがあります。

というわけで以下、お気に入り曲の原曲とカバーバージョンをご紹介します。




♪ You're Only Lonely

以前、中国の宿泊先でテレビを点けていたら聞き覚えのあるメロディーが流れてきたので、

画面に目を向けると3人の女の子がこの曲を中国語で歌っていました。

S.H.E.(エス エイチ イー)という格安旅行会社のような名を持つこのグループは

台湾の明星(アイドル)で、中華圏では絶大な人気を誇っているそうです。

原曲は私が若い頃ヒットしたウエストコーストサウンドの名曲です。


試聴 You're Only Lonely   BY J.D. Souther  (原曲 なぜかニュージーランドの景色とともに)


試聴 Only Lonely       BY S.H.E.. (カバーバージョン プロモーション・ビデオ)

試聴 Only Lonely       BY 一般人 (おまけ! タレント・ショー? のど自慢? 何度見ても笑えます。)

※上記はYouTubeに接続するリンクです。
※接続には少し時間がかかるかもしれません。
※セキュリティーソフトの影響でご覧になれない可能性もあります。





♪ 不得不愛


副題は Can not live without love

中国で求めたCDに入っていた曲です。

いい曲だナーと思っていたらNHKの中国語講座のオープニングに使われていて驚きました。

透き通るような声で哀愁をおびた切ないメロディーが歌われる魅力的な一曲です。

原曲は韓国のヒップホップグループのヒット曲?のようです。


試聴 不得不愛        BY 弦子 (中国で求めたCDに入っていたものです。)


試聴 Please tell me why   BY FREESTYLE (韓国語の原曲?)

試聴 不得不愛        BY FREESTYLE + 弦子 (中韓合唱版)

試聴 不得不愛        BY 一般人(エアボーカル 若さ=おバカ その若さがうらやましいです。)




♪ 母と子の絆


レゲエのリズムを取り入れたポール・サイモンの軽快な一曲です。

詞は難解ですが、サイモンが中華料理店で鶏肉と鶏卵の料理、

いわゆる親子丼的なものを食べている時にひらめいた曲との事です。

ちなみに原題は Mother and Child Reunion 〜母と子の再会〜です。



試聴
 母と子の絆   BY ポール・サイモン(原曲  動物の親子の映像とともに)

試聴 母と子の絆   BY ジギー・マリー(レゲエ界の巨星ボブ・マリーの息子によるカバー)

試聴 制水歌      BY サミュエル・ホイ
(香港の映画スター ホイ3兄弟の一人サミュエルによる
                            広東語的アプローチ。原曲になじみのある方でMr.Booを
                            ご存知の方にとっては、かなり笑えるカバーだと思います。)


以上、YouTube を探すと沢山珍品が見つかるようですが、キリが無いのでこの辺にしておきます。

                                               2007年1月17日 




          
           上海のレコード店の店先に貼られたS.H.E.のポスター(上中央)





#061  暖の壺 〜  Eternal Flame


ンピューターや携帯電話の普及によって新年のご挨拶もメールで・・・

そんなニュースをよく耳にしますが、でもやっぱり、

手にとって感じることが出来る年賀状は特別な感じがします。

今年も色々な方から年賀状を頂きました。

その中からお二人の年賀状をご紹介させていただきます。


先ず一枚目は、Petite design room というデザイン会社を

一人で立ち上げられ頑張っておられる20代の女性から頂いたものです。

彼女には、設計の段階の線描画を描いていただくなど大変お世話になっているのですが、

ご自身の作品には独特な世界観があり、お若いのにすごいなーといつも感心しています。

頂いた年賀状もすばらしい作品で楽しく拝見しました。


そこはたぶん彼女の部屋を想定したと思われる一室。

テーブルには、スケッチブックと絵筆が。

描きかけの絵は楽しそうに踊る男女。

カーペットの上のかごの中には絵本とうさぎのぬいぐるみ。

ブランケットが敷かれた肘掛け椅子には「猫のじんべえ」が・・・・ではなくて「ウリ坊」が。

楽しそうな夢を見ているようなウリ坊の表情からは安心が伝わってきます。

そして椅子の前に揃えてある部屋履きが、そこには描かれていない彼女の存在を暗示しています。

何も描かれていない白い紙の上に、こんなあったかい空間を創り出せるなんて・・・

繰り返しですが、すごいなーと感心してしまいました。



一方、もう一枚の年賀状は高校時代の同級生から送られたものです。

卒業してから25年も経ちますが、今でも会えばあの頃のままのともだちです。


最近彼と会った時  「NHKの
美の壺っておもしゃいよね!」 〜 おもしろいよね 〜の意味

と、テレビの番組の話で盛り上がりました。

年賀状にはその「美の壺」仕立てで、彼が自宅で愛用しているアイテムが紹介されています。

我々が生まれた1963年製 英国アラジン社のストーブ。

何でも中古で求めて自分でパーツを交換したりして楽しんでいるとの事。

ファンヒーターのようにモーターの音がしたり、風がおきたりしないのがいいのだそうです。

このストーブ、自分が小さかった頃うちにもありました。

上に鍋を載せ正月の餅の小豆をゆでたり、周囲を金網のフェンスで囲い、

洗濯物や雪遊びで濡れたズボンをかけて乾かしたり、

そこから上がる湯気をぼんやりながめていたのを思い出します。

その頃はただのストーブとしか感じなかったのですが、

あらためて見ると雰囲気のあるデザインが大変魅力的です。

彼のお手入れの賜物でしょうか、40年以上の時を経ているようにはとても見えません。

ハンドルを持ち移動するときのキコキコする音や、マッチで着火した時のにおいがよみがえってきます。


さて、面識のない二人の年賀状に登場するこのストーブ。

雪はないけどやっぱり寒い今年の山形の冬を、ちょっとした偶然が暖めてくれました。

                                             2007年1月7日



          





#060  茶の湯 〜  Hospitality


    「元が竹で 上向いて こう、先がこう、

          いっぺん広がって かじかんでるやつがあるだろ それとれ」

    「これですか? これ何てんです?」

    「これか? これはネ お茶ぼうき!」


以上、落語 「茶の湯」 から ご隠居さんが小僧さんに

棚から「茶せん」をとるよう命じているところのやりとりでした。


せっかく風流な根岸の里に隠居したのだからと、

知ったかぶりでお茶をたててみたくなるご隠居さん、

その尻馬に乗って、「甘いお菓子が食べられる!」 と張り切る小僧さん。

調子に乗ったご隠居さんから茶会に誘われ、「挑まれて知らざるは恥!」 とばかりに

引越しまで思いつめる長屋の住人たち。

高尚で風流な 「茶の湯」 をめぐって繰り広げられる可笑しな人間模様。

CDでしか聴いたことがありませんが、何度聴いても大笑いの一席です。


先日、あるお客様より 「自宅に造った茶室に木の扁額をあつらえたいので・・・・」

とのお話を頂き、お宅におじゃまさせていただきました。

静かな環境にある落ち着いた佇まいのご自宅に伺うと、

ご主人が 「炭をおこしたので・・・・・」 と茶室に案内して下さいました。

それが何を意味するのか無粋な私はその時気付かなかったのですが、

導かれるまま中におじゃますると、ふんわり炭の香りが身を包み、

とたんにゆっくり時間が流れ始めたような気がしました。

茶室は、不案内な私の目にもそのすばらしさが伝わる本格的なもので、

何よりも感激したのは、一切電気が引かれていない事と、サッシが使われていない事でした。

そして、大人が4人も座れば一杯になる狭くて、天井が低い造りにも拘らず

なんだかとても心地よく、安心できる空間でした。

「私は何もわからなくて・・・・・・」 とご主人にお伝えすると、

「まったく気にしなくていいですよ、好きなように楽にやって下さい。」

とおっしゃって下さったので、お言葉に甘えさせていただきました。


外から障子のフィルターを透して差し込む、冬の夕暮れの柔らかな光線。

その光線に照らされ、なんとも温かい表情を見せる湯気。

外から聞こえる小鳥のさえずり。

細い線をなぞりながら茶碗に注がれる湯のきらめき。

そして、茅葺屋根の民家と雪の結晶を模した干菓子が

白い懐紙の上に、冬の情景を描いていました。


私は、美味しいお茶を頂戴しながら、自分がなぜここにいるのかも忘れるほど

リラックスし、その気分を楽しんでいました。。

そんな「状態」を作って下さった、お客様のお心遣いに何よりも感激したのですが、

と、同時に、装置としての「茶室」、方法としての「茶の湯」 

もしくは前述の落語のご隠居さんらが恐れ、私もそう感じる 

形(かた)としての「作法」の中に、人の精神をある状態に導く働きがあるのだという事を

身をもって体験できた事が嬉しい発見でした。

という事で本年は「お能」にチャレンジ!・・・ しません!!。

                                        2007年1月4日



              





  新年あけましておめでとうございます!


昨年中は当社並びに当HPをご愛顧頂き、誠にありがとうございました。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

皆様にとって良き一年であります事を心よりお祈り申し上げます。  合掌



          





                         平成十九年一月一日

                         仏像彫刻原田社員仏工一同





#059  今を生きる 〜  Don't look back


#058でご紹介した上々颱風のHPを見ていたら

去年の暮れのブログに面白い文章を見つけました。

ブログは上々颱風に二人いるボーカルの内の一人、

山形県庄内出身の白崎映美氏によるもので

2005年12月30日付 「白崎映見より愛のメッセージ」と題されています。

以下、一部ご紹介させていただきます。

  皆様におかれましては、つつがなく、この歳の瀬をお迎えでありますでせうか。

    歳の瀬 歳の瀬 歳の瀬


  さて一年を振り返ると、って しかして、なぜゆえ


  一年の終わりになると一年を振り返るというこの慣習が、


  このように慣習化しているのでありませうか。
      
              〜中略〜


  動物に、かたわらにいる、このペットであるところの猫に


  歳の瀬はなく、クリスマスもなく、反省もなく、ただ自らの体をなめている。

  あはは〜。いいぞ けだもの。

      
             〜以下省略〜  全文はこちらから   

   


彼らのコンサートの合間に語られる庄内弁のおしゃべりに等しく、

独特な「間」があり、読みながらニンマリしてしまいました。


さて、我が家のペットであるところの 猫の じんべえ にも

年の瀬はなく、クリスマスもなく、反省もなく、ただ自らの体をなめている。

食卓に上っておこられても直ぐ忘れ、無意味にチョコレートの銀紙の玉にじゃれまくり、

かと思えばイキナリ毛づくろい。冷蔵庫が開く気配を感じると煮干をもらえると思い

軽い足取りで 「タッ タッ タッ」 とやってきては人の足にまとわりつき、

もらえないと悟ると悲しい声で「ニャ〜」とか鳴いてみせる演技派。

女性のお客さんが来ると自慢のシッポをまっすぐ立ててスマシテ歩くお調子者。

大好物の海苔がもらえるとわかるとスリップしながらダッシュで駆けつけて

チーターのようなまなざしで海苔を持つ手を見つめる食いしん坊。

あはは〜。いいぞ けだもの。

警察犬があるのに、警察猫がないのはごく当たり前の事だと

じんべえを見ていてそう感じるのでありました。


いなかっぺ大将 
風大左衛門は、敬愛するところのニャンコ先生に

「とってんぱーの にゃん ぱらりっ」 のキャット空中三回転を伝授されましたが、

我が家のじんべえ先生は、今に生きることの大切さを・・・・・・・

教えて・・・・・・ンーやっぱり単なる無邪気で幼い猫なだけです。


                                 2006年12月21日



             

          
何かを見据える真剣な横顔。でもただ海苔が欲しいだけ!





#058  日式 〜  Shang Shang Typhoon


「何事も本場が一番!」 と、ラーメンの本場? 中国 を探しても

一般の食堂では、いわゆる 「ラーメン」 を見つけることは出来ないようです。

上海などの大都市では 「日式」 と但書きがされたラーメン店があちこちに見受けられ、

駐在の日本人だけでなく現地の方にも結構 親しまれているようですが、

あくまでもそれは 「日本式のラーメン」 なわけで

中国式の「湯麺」とは一線を画すもののようです。

ついでに、内側に龍や雷紋などの中華的な模様がプリントされた

「ラーメンどんぶり」 も 日式のお店以外ではお目にかかった事がありません。

又、蛇足ながら、中国の友人に陶製のスプーン(湯匙)を 

日本では「散蓮華」 と呼ぶ事を伝えると

「おお!それはいい名前だ」 と感心していました。


ひとつの 「事」 が伝わっていく過程において 「風土」 や 「好み」  「工夫」

あるいは 「伝達ミス」 などによって 「元の姿」 が変化していく図式が

一杯の 「日式ラーメン」 の中にも見つけることが出来ます。


お気に入りのバンドに 上々颱風〜Shang Shang Typhoon

というグループがあります。

以下、このグループのファーストアルバムの中に収められている

「流れのままに」 の歌いだしの歌詞をご紹介します。


      しなやかに 軽やかに  風を 感じていたい

      ゆるやかに のびやかに  時の流れのままに

      しなやかに 軽やかに  愛を感じていたい

      ゆるやかに のびやかに  時の流れのままに

          「流れのままに」 試聴 クリック


この曲に限らず、メロディーやリズム、そしてそれを奏でる楽器が

多彩で、多国籍でありながら親しみやすく、魅力的で、

まるで 「日式ラーメン」 のような一枚です。

楽しめます。ぜひお試しを!     

                                   2006年12月17日



           






#057  はるばる 〜  All the way from...


先日、お二人のお若い男性のお客様がご来店されました。

「どうぞ上に上がられて近くでご覧下さい」 と、お伝えすると、

スニーカーのまま板の間に進まれたので 「あれ あれ?」 と思い、お尋ねしたところ

シンガポールからいらして下さったとの事。

ちょっとした異文化コミュニケーションの行き違いが楽しかったのですが、

色々と伺うと、お二人は過去に何度も日本各地を旅行された経験をお持ちで、

今回は 「山形」 がメイン(山寺銀山温泉)の旅で、

下調べの際、当社のホームページをご覧になって、わざわざご来店いただいたとの事。


外国の方が旅の目的地に「山形」を選んで下さった事。

HPで当社の存在を知り、大切な時間を使ってご来店下さった事。

当社のギャラリーで実際にお姿に接していただき、大変喜んで下さった事。

それらの事が何よりも嬉しく、我々はとても幸せな気持ちになりました。

そして 「旅の途中なので帰国に合わせて成田空港へ送っててもらえますか?」と

総高40cmの坐像の観音像をお求めいただき、更に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

お代金を頂戴できるというのはもちろんの事ではありますが、

それ以上に、国や言葉の違いを超えて、当社謹刻のお姿の中に何かを感じていただけた事が

とても嬉しく、有り難い事で、励みになる事でありました。   合掌

                                          2006年12月16日




              






#056  海を見ていた午後 〜  Sea Giraffe


    


写真は、仕事でおじゃました北海道で撮影したものです。

仕事を終え、帰りのフェリーに乗るためターミナルに向かう途中この風景に出会いました。


水平線に浮かぶ2隻の大型船。

現在中2の長男が2〜3歳の頃に買ってあげた絵本 「うみキリン」 の事を思い出しました。


絵本の最後は

            
 いつか きみも、うみキリンに

             あえるかもしれないよ。

             とおくからは ふねに みえても、

             よーく みてごらん。

             ふねの えんとつのうえが

             まるくなっていたら、

             きっと それは・・・・・・・


                        ・・・・・・うみキリンだよ。


と、結ばれています。



一番盛り上がるのは

             
うみに なみが たつのも、うみキリンが

             おおごえで おはなしを しているからなんだ。


というシーン。

「あ〜あ〜あ〜あ〜あ〜〜」 と本をグラグラ揺らしながら読み聞かせると

キャッキャと喜びました。


車を路肩に寄せ、外に出てカメラをかまえ

「そんな事も今は昔・・・・・・それにしてもあの うみキリン つがいかなー?」

ナーんてセンチメンタルな気分に浸ってみようかと思いましたが、

ここは北海道、今は冬。 

アンニュイ するには苫小牧の海風はあまりにも冷たく、ソーダ水も凍るほどの寒さ。

一枚パシャリとカメラにおさめ、早々に車の中に退散。

鼻水をすすりながら、そそくさとフェリーターミナルに向かったのでした。

                                         2006年12月1日



        





#055  きょうのにゃんこ 〜  Born To Run


最近わが家では、2階のドアを開ける時皆、少しの緊張をもって臨みます。

階段を上る足音に、ドアが開く事を予測し、脱走の機会をうかがう生き物がいるからです。

今まで何度となく階下に飛び出し、捕らえられては反省したフリをして次のチャンスを狙うこの生き物。

追いかける事が面倒になった我々は 「海苔アゲルヨ作戦」 を考案し、実行に移す事に。

するとこれが効果絶大!なのでありました。


この作戦は、逃げ出したターゲットの大好物である海苔を使い、

興味を 「逃走」 から 「食欲」 にスイッチさせるというもので、

別名 「パブロフのねこ〜リバース天岩戸作戦」 とも呼ばれています。

先ず、逃げ出したターゲットは追いかけません。追いかけると余計逃げるからです。

これは男女の仲にもいえる事かもしれません。(たぶん・・・)

そうすることでターゲットは 「?」 といった感じで必ず様子見に立ち止まります。

そこで、あらかじめ入り口付近に用意しておいた海苔の缶をわざとらしく「シュポン!」と開けます。

蓋で缶をカンカン鳴らしたりもします。

中蓋も勢いよく「ポン!」と取り外し、「ゴソゴソ」中から海苔を一枚取り出します。

すると その音に反応し 「あっ!また アノ パリパリしたのがもらえる!」 

と、ドア越しにこちらを覗き込み、軽い足取りで部屋に戻ってきます。

完全に部屋に入った事を確認の上、ドアを閉めて 

「ターゲット確保 ミッション終了! 人間なめんなよ!」

と、まあこんな具合なのですが、 

逃走⇒様子見⇒シュポン!⇒パリパリ という図式を学習したターゲットは 

逃走のモチベーション が、どうやら 〜パリパリの獲得〜 になりつつあるようで、

    「なんと狡猾な奴! しかし猫(日々コレ#037)ながらアッパレ!

         今日も戦利品のパリパリをあっという間に平らげてしまう じんべえ なのでした。」

                                        2006年11月25日


       
       
たそがれ甚兵衛                                  居眠り甚兵衛



                 
                     
家政婦甚兵衛(♂)







#054  「精霊の守り人」 〜  Don't judge a book by its cover


「ポーン」という音と共にシートベルト装着のサインが消え、

飲み物のサービスが始まりました。

中国での仕事を終え、成田へ向かう機中、私は受け取ったコーラを一口飲み

ホッとして 「それでは・・・・・」 と読みかけの本に目を移す・・

と、次の瞬間、体がフワリと持ち上げられ間髪を容れず乱暴な力で下にたたき落とされました。

悲鳴が沸き起こり、機内は騒然!

目に入ってきたスチュワーデスの顔は明らかに尋常でない恐怖の色に支配されていました。

虚を衝かれた私は、何が起きたのかすぐには理解できず、呆然としていましたが、

右手に持った プラスチックのコップは空となり、中の液体が天井からポタポタ垂れる様子を見て、

短い時間に色々な事が頭の中を駆け巡りました。

「こんな事ならただの水をもらうんだった。 頭からコーラをかぶるなんて・・・・面倒な事になったナー」

「いやいや、そんな場合ではない! 胸ポケットにボールペンがあるし、手元には本がある。

ズボンのポケットには電源を切った携帯電話もある。いざとなったらメッセージを残すことはできる・・・・・・

あっ、でも電源切れって言ってたよなー いやいやボイスメモくらい大目に見てくれるでしょ・・・・・・」

「あーそれにしても隣の人もコーラを頼むなんて・・・・・・」

「いやいや、そういう事じゃないでしょ!ベタベタでも命さえ助かればイイじゃない」

そんな、どうでもイイ事と、「もしかするといつか見たあの映画のように・・・・」という恐怖が

頭の中を交錯する中、かつて聞いたことがないシリアスで早口なアナウンスが・・・・

「乱気流の中を飛行しているのでベルトを締めて立ち上がらないように」

そんなありふれた内容ながら、乗客の恐怖を煽るには十分な迫力!

その後も機体はガタガタといやな音をたてて上下に揺れ続け、

いつしか頭から浴びたコーラも乾いていました。


今までかなりの揺れを経験しましたが、今回のような事は初めてでした。

最近の竜巻や突風のニュースを見るにつけ、ただのエアポケットではないような・・・

そんな気がしてなりません。



さて、前置きが大変長くなりましたが、そんな事があった機中で私の左手に握られていたのが

「精霊の守り人」という本です。

この本は 「皆様の日々コレ#005」 の 「一期一会様」 より頂戴したもので、

「出張の乗り物の中で読もう」 と楽しみに取っておいた一冊です。

読むのが遅い私は、行きの飛行機の中で半分、

帰りの飛行機と新幹線の中で残りの半分を味わいました。

自分がもの凄いスピードで空間を移動している事を忘れ、

不思議な世界に迷い込んでしまいました。


〈短槍使いの女用心棒〉バルサ  〈卵食い〉ラルンガ  〈精霊の守り人〉ニュンガ・ロ・チャガ

〈水の守り手〉ニュンガ・ロ・イム  〈土の民〉ヂュチ・ロ・ガイ  〈呪術師〉トロガイ

〈星読博士〉シュガ  そして 〈新ヨゴ皇国第二皇子〉チャグム

そんな魅力的な響きを持つ登場人物たちが

〈ナヨロ半島〉  〈青霧山脈〉  目に見えるふつうの世〈サグ〉  目には見えない別の世〈ナユグ〉

といった、どこの国か、いつの事かわからない不思議な世界で物語を展開します。

「児童文学」というくくりになっていますがドッコイ!

子供だけに読ませておくにはヒジョーにモッタイナイ面白い一冊です。

以下、心に響いた箇所を一節


   トロガイは顔をあげた。

   「ふん。 ヨゴ人はそんなふうに考えとるのか。 

   あのな、坊主。 国やしゃべる言葉がちがう人は、別の考え方をもっとることはしってるか?

   たとえば、バルサはカンバル人だが、カンバル人は雷(いかずち)を神だと思っている。

   そうだな? バルサ。」

   バルサは、うなずいた。




今、コーラのシミが付いたこの本を手にし、かすかに表紙に残るペタペタした感触を感じながら

この本にボールペンで文字を記さなくて済んだ事に心から感謝しています。  合掌

                                        2006年11月20日



                








 お知らせ


この 「日々コレ」 に度々ご登場いただいております 

「楽書〜らくしょ」 の陽子先生が

ホームページを開設されました。 

作品の紹介はもちろんの事、

今後はブログ形式で展開されるとの事。

ホームページから「楽書」の輪が

更に大きく拡がっていく事をお祈りいたします。

   

こちらから ⇒ 楽書  〜心やすらぐ書の空間〜




















#053  香炉 〜  Oasis


今から10年くらい前になるでしょうか、京都の東寺をお参りさせていただいた時、

宝物殿の出口の売店でこの香炉と出会いました。


「シルクロード」 という名を持つこの香炉は、下の受け皿でお香を焚くと

「砂漠の民」風のおじさんの体内にケムリが充満し、

胸元の鉢から立ちのぼる仕掛けになっています。

そんな様子が面白かったのと、甘い香りが魅力的だったので

「風信香」 という お香と一緒に求めさせて頂きました。

この 「風信香」 は 「国宝 風信帖」 にちなんで名づけられたお香で

東寺でしか求めることができない香りです。


さて、最近ギャラリーでは「堀川」というお香を焚いています。

小さな蚊取り線香のような渦巻き状になった赤茶色の「堀川」を

少し折って火を点し受け皿に置きます。

その上におじさんのからだをかぶせ、しばらくすると

ゆんらりケムリが顔を出し、空中にとろける様に立ちのぼります。

その速度、形、リズムは 「龍」 を連想させ、しばし見とれてしまうほど・・・・・。

きれいなラインを見たい一心から、自分の息で空気を乱してはいけないと、

無意識に息を止めていたいた事に気付き、ゆっくり一息吸い込むと・・・・・・・・

優しい香りにウットリ、

おじさんと目が合いニッコリ。


秋の空気にはお香がよく似合います。

                                     2006年11月14日




         







#052  満天星 〜  History


「満天星」 と書いて 「ドウダンツツジ」 をさすのだそうです。

このたび調べて初めて知りました。

なんと夢のある読ませ方でしょう!


道路拡幅に伴う工事を経て3度目の秋を迎えた我が家の庭。

以前の庭から植え替えられた植物もようやく落ち着きを取り戻し、

お稲荷様の脇に植えられたドウダンツツジも真っ赤に色づいています。

今年92歳になる祖母に聞くと 

「私が嫁に来た頃にはもうあの木はあったのよ」 との事。 

私の父が現在72歳ですので、もしかすると100歳を超えた木なのかもしれません。

そんなに先輩だとは知りませんでした。

私が生まれた昭和38年の春にもたくさんの花を咲かせ、

秋には見事な紅葉を見せてくれたのでしょう。


写真は、今年の3月30日に撮影した、春の雪が積もり白い花を咲かせたところ、

そして今日撮影したものです。

明日は立冬。 まもなく又、雪の季節がやってきます・・・・・・。

                                        2006年11月6日



        








#051  少女 〜  She is a Maniac


ポール・サイモンのソロアルバムの中に「母と子の絆」という曲があります。

レゲエのリズムを取り入れた事で有名なこの曲は

ジャマイカで現地のミュージシャンを起用して録音されました。

中学生の頃に出会ったこの曲が、私にとってレゲエを知ったきっかけだったと思います。

さて、レゲエと同じ、ジャマイカで生まれた「スカ」という音楽をご存知でしょうか?

レゲエの前身とも言われるこの「スカ」、

日本では「東京スカパラダイス・オーケストラ」の存在が有名であります。


唐突ですが、ここで一人の少女をご紹介させていただきます。

笑顔がとっても素敵な彼女は、私の妻の知り合いです。

下の写真を見ていただけば、一目瞭然とは存じますが、

その前に、想像を膨らませていただくため、

あえてご説明させていただきたいと思います。


少しこまわり君に似たほっぺがとても愛らしい彼女。

ベルベットの黒服を身にまとい、赤い蝶ネクタイで小粋にキメています。

ピカピカの黒い革靴もクールです。

動画のアップがうまくいかず、お見せできないのがとても残念ですが、

そんな彼女が、スカ的味付けのされた「イッツ・ア・スモール・ワールド」に合わせて

激しく腰を振り、情熱的なダンスを披露してくれます。

終始開かれた大きな目と、右口角に出されたベロが、

ある意味、妙な無表情さを醸し出し、激しい腰の動きとミスマッチしてイイ感じです。

お見せできないのがつくづく残念でなりません!


少し前、私が出張から帰ると、食卓の脇の棚に彼女が陣取っていました。

それが彼女とのファーストコンタクトでした。

足元にボタンがあったので押してみると、イキナリ踊りだしたので

三波伸介の如くびっくりしました。

先日は、飼い猫のじんべえ君が誤って彼女の足元のボタンを踏んでしまい、

少女 vs ネコ(♂) の、ちょっとしたバトルに発展しました。

夜中にトイレに起きた時、突然踊りだしたり(誤作動)しないよう

くれぐれも注意してほしいものです。

                                  2006年11月1日



               




コレクター:1963年生まれ 男性 仏像彫刻原田専務